「自分のことしか考えてませんでした」。6日の全国高校野球選手権兵庫大会。1回戦で散った雲雀丘のエース河杉は、昨夏からの自らの言動をひたすら反省した。 昨夏、先輩に次ぐ2番手として控えたが2戦とも出番はなかった。「俺を使え」。試合中は監督にアピールしたくてブルペンで投げ続け、応援そっちのけ。敗退後、先輩投手が泣きながら言った。「申し訳ない」。思いも寄らぬ言葉に号泣し、決めた。仲間のために腕を振る-。 昨秋は背番号1をもらい、地区大会3試合で完投。しかし10月にけがが判明した。気がせいて完治前に投げ、再発。独りよがりな行動をまた、猛省した。 6日の淡路三原戦は、昨秋以来の公式戦登板だった。味方の4失策をカバーするような粘りの投球で6回2/3を3失点。降板後はベンチから味方を鼓舞した。九回、一打同点の好機に凡退して泣きじゃくる同級生に「ナイスバッティング。胸張ろうや」。1年前とは見違える右腕の姿があった。(初鹿野俊)