導入事例

「活字離れ」を克服する一次情報の力。
大手前大学が挑む、課題解決型の学び

大手前大学
大手前大学
目的
課題解決型学習の質向上 / 地域・自治体連携 / 学生の思考力・メディアリテラシー育成 / キャリア教育・就職支援
業種
教育・大学
部署
地域・社会連携室 / 総務部

インタビューにご協力いただいた方

学校法人大手前学園 法人本部総務部 兼 地域・社会連携室
室長 大西 康弘 様・課長 雑喉(ざこう) 隆宏 様

学校法人大手前学園(大手前大学)は、西宮市と大阪市にキャンパスを構え、学部・学科の枠を超えて学べる「クロスオーバー教育」や地域社会と連携した実践的な学びを展開する総合大学です。同大学の地域・社会連携室では、自治体や地元企業との協働による地域課題の解決や、社会に貢献する人材の育成を推進しています。

同大学は、学生の活字離れや情報収集の偏りといった課題に向き合い、信頼できる情報をもとに社会課題を「自分事化」する力を養うため、法人コースの利用を開始。導入のきっかけや講義での活用法、得られた効果についてお話を伺いました。

中規模総合大学だからこそ実現できる
「学部を超えた学びのクロスオーバー」

Q: はじめに、大手前大学の教育面における特徴や強みについてお聞かせください。

雑喉 様:
本学の特徴を一言で表すと、「中規模総合大学」ならではの柔軟性と、学生と教員の距離の近さにあります。単科大学のように専門が限定されることなく、多文化共生から建築、芸術、地域価値創造、マーケティングまで非常に幅広い学びの選択肢を用意しています。

大規模大学のような大人数での埋没感がなく、教員と学生、あるいは異なる学部・学科同士の垣根が非常に低い点が最大の強みです。

大西 様:

そうした学部や学科の垣根を越えて学べる仕組みを、本学では「学びのクロスオーバー」と呼んでいます。一般的な大学では、他学科の授業を履修しても単位認定の枠組みが限定的なケースが多いのですが、本学では他学部の授業を積極的に履修でき、それがしっかりと卒業単位として認められる仕組みを整えています。

たとえば、経営学部の学生が本格的な芸術教育やデザインの授業を受けて単位を取得できる。こうした自由度の高さが「自身の興味・関心の幅を無限に広げられる」と、オープンキャンパスに来場する高校生や在学生からも大変高い評価を得ています。

さらに、こうした学部横断的な学びについては、大学設置基準等の改正(令和4年)に先駆ける形で、本学ではかなり早い段階から取り組んできました。時代に合わせた先進的な教育環境を提供し続けていると自負しています。

実践的な「PBL(課題解決型学習)」推進における課題と、信頼できる一次情報の重要性

大手前大学

Q: 地域・社会連携室として、現在どのような取り組みに注力されているのでしょうか。

雑喉 様:
現在、全国的な大学教育の潮流として、単なる講義形式にとどまらない「PBL(Project-Based Learning:課題解決型学習)」の重要性が高まっています。本学でも、学生が教室を飛び出し、自治体や地元企業と連携して地域のリアルな課題解決に取り組むプロジェクトを多数展開しています。

しかし、ここで一つ大きな課題がありました。学生が課題解決に向けたアイデアを考える際、検索エンジンやSNSなどで手軽に手に入るネット情報だけに頼ってしまう傾向があったのです。

地域課題の解決やマーケティングの提案には、根拠となる正確なデータや、背景にある歴史的・社会的文脈の理解が欠かせません。「裏付けのない曖昧な情報ではなく、取材に基づいた信頼できる一次情報(ファクト)に触れ、それを思考のベースにしてほしい」――そうした強い思いがありました。

特に、自治体や産業界と深い連携を進めるうえで、地域に根ざし、質の高い新聞社が発信するニュースやデータベースを活用することは、学生の思考の質を飛躍的に高めるために不可欠だと感じていました。

「アカデミックオプション」導入と講義での画期的活用

大手前大学

Q: そうした中で、神戸新聞を導入された経緯や、具体的な決め手は何だったのでしょうか。

大西 様:
本学は「地域に開かれた大学」として地域貢献や認知度向上を模索する中で、学生たちが信頼できる地域情報にアプローチできる環境を整えたいと考えました。そこで、兵庫県内での豊富な取材実績と確かな情報基盤を持つ地元紙の神戸新聞社に着目し、連携や情報活用の可能性について検討を開始したのがきっかけです。

単にニュースを閲覧するだけでなく、大学の講義内で学生が「安心・安全なデータベース」として記事を活用できる点、そして神戸新聞が持つ豊富な地域取材データやネットワークと連携できる点に大きな魅力を感じました。「活字離れが進む若者世代にこそ、プロの新聞記者が取材した情報に触れる機会を作りたい」という本学と「社会人への準備期間でもある大学時代に、『新聞を読む習慣』を身に着け、幅広い知識や社会への関心を育んでもらいたい」という神戸新聞社の想いが双方で合致し、神戸新聞NEXT 法人コースの「アカデミックオプション」の導入を決定しました。

雑喉 様:
導入後、すぐに具体的な講義で活用が始まりました。まず現代社会学部において「学びの道しるべ」という授業で活用を開始し、次に建築&芸術学部において「都市計画・都市防災論」という授業でも活用を始めました。防災の講義では、阪神・淡路大震災を経験した神戸新聞ならではの「防災・減災」に関する過去記事や最新ニュースを学生たちが検索して調べました。ゼミのグループワークでは、タブレットやPCで神戸新聞NEXTの画面を映し出し、気になる記事をスクロールしながら「この記事の視点が面白い」「このデータを使おう」と活発な議論が交わされていました。

ネット上の不確定な情報とは異なり、プロの記者が取材した「信頼感がある記事」をベースに議論できるため、学生たちの提案の質や説得力が格段に向上したと実感しています。

社会への関心を広げ、キャリア教育・就職活動の強力な武器に

大手前大学

Q: 今後の活用や、神戸新聞に対する期待について教えてください。

大西 様:
今回の導入により、学生が「正しい情報を選び抜き、課題解決に活かすスキル」を身につける手応えを得られました。今後は講義内での利用にとどまらず、学生の「キャリア教育」や「就職活動」にも活用を広げていきたいと考えています。また、本学の現代社会学部では、「ソーシャルアントレプレナー育成プログラム」を2027年度から開始する予定で、授業を展開していくうえで必須ツールになるのではと考えています。

雑喉 様:
神戸新聞NEXTには、兵庫県内の地元優良企業や先進的な取り組みを行う企業、団体の記事が多数掲載されています。学生が地域企業の研究をする際、一般的な求人サイトでは見えてこない「企業の真の強みや地域での貢献度」を新聞記事から読み取ることができるはずです。地元企業への就職率が高い本学にとって、これは非常に強力な武器になります。

大西 様:
「地域に根ざした大学」として、地域社会や企業、そして質の高いメディアと手を取り合いながら、次世代を担う学生の学びを多角的にサポートしていく。今回のサービス導入は、単なるツールの導入を超えて、本学の教育価値を高める重要なパートナーシップであると感じています。

学生の「思考の深化」を目指す、すべての大学・教育現場へ

大手前大学

Q: 最後に、今回導入された「アカデミックオプション」を、他のどのような大学や教育機関におすすめしたいとお考えですか。

雑喉 様:
やはり、本学と同じように「PBL(課題解決型学習)」や「地域連携」に力を入れている大学にはおすすめしたいですね。 学生が地域や社会課題に向き合う際、どうしてもネットの検索結果やSNSの表面的な情報だけでアイデアをまとめてしまいがちという課題は、多くの大学が抱えている共通の悩みだと思います。地元の歴史的背景や過去の経緯といった「本物の記者の取材による裏付け(ファクト)」があるだけで、学生の分析の深さや提案の説得力は劇的に変わります。

大西 様:
大学の規模で言えば、地域社会との距離が近い「中規模・小規模大学」や、地域貢献を掲げる大学にこそ適していると感じます。 また、講義内での活用はもちろんですが、キャリア支援部署やゼミ単位での活用など、「地域企業研究」や「就職活動での活用」を目指す教育現場にも強い味方になるはずです。地方創生や地域課題に取り組むすべての大学において、学生の思考力や情報収集能力を高める基盤として、ぜひ導入をおすすめしたいですね。

◇大手前大学

https://www.otemae.ac.jp/
目的
課題解決型学習の質向上 / 地域・自治体連携 / 学生の思考力・メディアリテラシー育成 / キャリア教育・就職支援
業種
教育・大学
部署
地域・社会連携室 / 総務部

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「地域」の動きを掴み
「組織」を成長させる
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