医療

長寿の作法
医療や福祉現場で活躍する人々が、健康寿命を延ばす工夫を紹介します。
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兵庫県予防医学協会長 石原享介さん
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兵庫県予防医学協会長 石原享介さん
スニーカー通勤をする兵庫県予防医学協会の職員。スーツ姿で履くこともあるが、動きやすいと好評だ=神戸市灘区岩屋北町1、同協会
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スニーカー通勤をする兵庫県予防医学協会の職員。スーツ姿で履くこともあるが、動きやすいと好評だ=神戸市灘区岩屋北町1、同協会

 人生が終わりに近づく時期をどう心豊かに過ごすか。これが、長寿社会においては極めて重要です。

 がんを発症したり、交通事故に遭ったりといった「どうしようもないこと」は、もちろんあります。だからこそ「自分で何とかできること」に集中すべきだと思います。

 まずは基本ですが、若いうちから定期健診をきっちり受け、生活習慣病の芽を早めに摘んでおくべきです。高血圧も糖尿病も、軽度であれば、食事の改善や運動による体重のコントロールで良くなります。逆に放置していると、さまざまな合併症を起こし、回復できなくなります。

 また、加齢に伴ってがんのリスクは高まりますので、中年以降はがん検診も欠かせません。「感情をこめず、年に1回は義務的、事務的に受診する」ぐらいの気構えが必要でしょう。医学は進歩しており、初期に発見できれば、治療は十分可能です。

 健康な老後は、気力があってこそです。家族や友人と語らう、趣味に打ち込む、読書で関心の幅を広げる-と方法は多種多様。私も時々ゴルフを楽しみ、愛読する小説のジャンルを「恋愛」にまで広げました。

 暮らしの中で感じるときめきと潤いのベースになるのは、やはり体力です。特に下半身の筋肉を鍛え、活動性を維持することが絶対条件です。

 そのために、歩くことから始めましょう。スニーカーで通勤するのは私の自己流ですが、週2回は最寄り駅から自宅まで、約30分かけて歩きます。上り坂ですが、スニーカーだと足取りも軽やかです。

 スニーカーは2足持っており、ズボンとのコーディネートで履き分けます。おしゃれも楽しみです。また、かかとが軟らかいタイプなので、砂浜を歩いているような感触があり、ふくらはぎが鍛えられます。慣れてくれば、機能も考えた靴選びも一興です。

 ジムでの筋力トレーニングや、階段の上り下りも組み合わせれば、理想的でしょう。負荷をかけすぎず、無理のない範囲で続けるのがポイントです。

 もし高齢などで、長距離の移動が難しい場合は、つえをついて歩いたり、しゃがんだ姿勢から立つ動作を何度か繰り返したりするだけでも、効果が期待できます。

 一歩一歩が、心肺機能、免疫、食欲、栄養状態を向上させます。体力が気力を高める好循環を実践してください。

(聞き手・佐藤健介、協力・兵庫県予防医学協会)

=おわり=

【いしはら・きょうすけ】1948年、大阪府枚方市生まれ。大阪市立大医学部卒。呼吸器内科医。京都大医学部臨床教授、神戸市立中央市民病院副院長、同市立医療センター西市民病院長などを務め、2017年6月から現職。

石原さんが勧める三つの作法

一、定期健診で病気の芽を摘み、中年以降はがん検診も

一、活動的な老後の礎は下半身。筋トレと歩行を習慣化

一、運動靴を履いて出社するなど、楽しめる工夫をする

スニーカー通勤

 スニーカーを履いて通勤する運動で、スポーツ庁が提唱している。同庁の調査では、週1回以上運動する20~40代は3割程度。仕事が忙しくても気軽に取り組めるウオーキングに着目し、1日8千歩を推奨する。医療費削減も狙う。

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