医療

長寿の作法
医療や福祉現場で活躍する人々が、健康寿命を延ばす工夫を紹介します。
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坂本美穂子さん
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坂本美穂子さん
採血する看護師。さまざまな生活習慣病のリスクを調べる=神戸市須磨区村雨町5、新須磨クリニック
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採血する看護師。さまざまな生活習慣病のリスクを調べる=神戸市須磨区村雨町5、新須磨クリニック

 特定健診という制度をご存じですか。メタボ健診といった方が通りやすいかもしれません。2008年に始まり、おなか回りの計測が話題になりました。

 目的は、内臓脂肪が必要以上に増え、血圧や血糖値も高くなる「メタボリック症候群」を防ぐことです。放置すると糖尿病や心臓病、脳卒中を引き起こす「メタボドミノ」に陥り、命の危険にもつながります。

 腹囲の基準値は男性85センチ、女性90センチ。血液検査なども踏まえ、ライフスタイルを見直す特定保健指導を行います。いずれ生活習慣病になる恐れがある人は「動機付け支援」、さらにリスクが高い人は「積極的支援」の対象になります。

 とはいっても、特定健診の数値は厳しめに設定されているので、結果を恐れ過ぎる必要はありません。むしろ長生きにつなげるチャンスととらえてほしいと思います。

 私たちが担当した50代の男性は、多忙による運動不足に加え、単身赴任中のため食事も偏っていました。改善に向けた目標を話し合い、食事をコンビニで買うときも和食や野菜を中心にし、パッケージに表示されているカロリーや塩分(Na)の量を意識するようにしてもらいました。

 自分のアイデアで、電車を一駅前で降りて歩くことも実行していました。意識を変えて、無理のない目標を自分自身で立てることが大切です。この男性は腹囲、血圧とも改善に成功しました。

 30代の女性は、自宅のすぐ隣のスーパーでしていた買い物を、少し遠い店に自転車で行くようにしました。別の50代男性は、好きなゴルフを続けることで楽しみながら運動量を増やしました。

 歩くときに腕を振って歩幅を広くする▽毎日短時間ストレッチする▽上質の食用油に変える-など、ちょっとした努力の積み重ねでも結果は大きく違ってきます。

 保健指導を受ける人はよく「怒られに来た」とおっしゃいます。そんなことはありません。自分を見つめ直そうと来院されるのは、とても尊いことだと思います。

 80代の女性で禁煙外来に通ってきていた人がいます。きっぱりとたばこをやめられ、ますます元気になりました。高齢になっても健康のために努力する姿に感銘を受けました。私たちもそのお手伝いをしたいと考えています。(聞き手・田中伸明、協力・兵庫県予防医学協会)

【さかもと・みほこ】1972年生まれ。神戸大医療技術短期大学部(現神戸大医学部保健学科)卒。国立循環器病研究センターなどを経て2010年新須磨クリニックへ。神戸市須磨区在住。

坂本さんが勧める三つの作法

一、健診結果は生活見直しの好機ととらえる

一、食事、運動の目標は実現可能な内容に

一、自分で考え、実行する自発性が大切

特定健診

 40~74歳の公的医療保険加入者が対象で、腹囲や血圧、血糖値などを踏まえ特定保健指導を行う。受診率に応じ企業の健康保険組合などの財政負担が増減される。新須磨クリニックは月~土曜に実施、要予約。TEL078・735・0010

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