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長寿の作法
医療や福祉現場で活躍する人々が、健康寿命を延ばす工夫を紹介します。
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相原英夫さん
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相原英夫さん
加古川医療センターの生活習慣病教室の案内。各地の病院で開かれている同様の講座を活用するのも、脳卒中予防の一つ=加古川市神野町
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加古川医療センターの生活習慣病教室の案内。各地の病院で開かれている同様の講座を活用するのも、脳卒中予防の一つ=加古川市神野町

 脳の血管が詰まったり、破れたりする脳卒中は、要介護になる原因の第1位で、生活の質の低下につながる病気です。それだけに予防が大切になりますが、脳卒中を引き起こす最大の要因は「加齢」で、これは避けようがありません。しかし、リスクを減らす方法はいくつかあります。

 まず考えるべきは、血圧やコレステロール、血糖などのコントロール▽バランスの良い食事と適度な運動▽ストレスを減らし、人との良いコミュニケーション-など。つまり日常の生活習慣を整えることです。当たり前と思われるかもしれませんが、不必要に多くの薬を飲んだりするより、こちらのほうが大切です。

 最近は、多くの病院で脳の健診(脳ドック)が実施されています。日本は磁気共鳴画像装置(MRI)が普及し、手軽に検査を受けられるので、65~70歳くらいになって経験がなければ、一度受けてみるのもいいでしょう。

 脳の画像検査では、脳卒中の一つ、くも膜下出血の原因になる脳動脈瘤(りゅう)が見つかり、破裂防止の治療が受けられる場合もあります。頭の手術は不安かもしれませんが、あまり怖がる必要はありません。今は高齢でも安全にできるようになってきました。危険性や予防効果について、信頼できる医師とよく相談して、決めましょう。

 ただ、検査で異常がなかったからといって、脳卒中に絶対にならないわけではありません。やはり毎日の生活習慣が第一。糖尿病やコレステロールの高い人は、認知症になりやすいことも明らかになっています。

 診察に訪れる患者さんから「人生の最後は、ぽっくりと逝きたい」とよく聞きます。かつて日本人は、脳卒中の中で脳出血の割合が高く、「ぽっくり」というケースも多かったと考えられます。しかし、今や脳卒中の7割以上が脳梗塞です。初めての発症で命を落とすことは少なく、むしろ助かったものの後遺症が出た-というケースが多いのが実情です。

 また脳梗塞は再発が多く、そのたびに後遺症も重くなります。まずは、脳卒中を起こさないことが大事ですが、一方で、現在では急性期の治療やリハビリが進歩し、高齢で脳梗塞を起こしても、歩いて家に帰れる人が多くなってきました。あきらめずにリハビリに励み、再発を防ぐことも大切です。(協力・兵庫県予防医学協会、聞き手・武藤邦生)

【あいはら・ひでお】1967年高松市出身。92年、神戸大医学部卒。神戸大病院脳神経外科助手、同講師などを経て、2012年から現職。日本脳神経外科学会、日本脳卒中学会専門医。

相原さんが勧める三つの作法

一、薬よりもまずは生活習慣の改善を

一、血圧や糖尿病の管理は認知症予防にもなる

一、脳の手術を怖がらず、医師らとよく相談を

脳卒中の種類

 脳の血管が詰まる脳梗塞、血管が破れる脳出血、動脈瘤(りゅう)が破裂するくも膜下出血がある。年齢以外の最大の要因は高血圧で、ほかに糖尿病、脂質異常症、心房細動(不整脈の一種)などが挙げられる。

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