医療

長寿の作法
医療や福祉現場で活躍する人々が、健康寿命を延ばす工夫を紹介します。
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今林清志さん
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今林清志さん
レコード資料室に保管されている音盤の数々。「電リク」などを通じリスナーの心を震わせた=神戸市中央区、ラジオ関西
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レコード資料室に保管されている音盤の数々。「電リク」などを通じリスナーの心を震わせた=神戸市中央区、ラジオ関西

 「元気そうだね」とよく言われます。たばこも酒もやるので、身体の健康について偉そうなことは言えませんが、心の健康を保つ秘訣(ひけつ)はいくつかあります。最もお世話になっているのは音楽ですね。

 ラジオ関西で音楽番組の制作や編成を長く担当しました。伝説の人気番組「電話リクエスト」でディレクターを務めるなど、音楽の魅力を発信してきました。好きな仕事を続けられて幸せだと感謝していますが、やはりサラリーマン生活は競争や葛藤が付きものです。

 50歳を過ぎたころには、すっかり「怖いおっさん」になってました。常にぴりぴりして、周囲に意地悪な言葉を投げつけていた。ストレスがたまって、心のバランスを崩しかけたこともありました。そのころは、仕事でいくら音楽に触れても、心から聴けてはいなかった。自分を取り戻そうと悩む過程で、音楽の素晴らしさを再発見しました。

 今も続ける健康法は、わずかな小遣いを握りしめて、1人でお酒を飲みに行くこと。携帯プレーヤー「iPod(アイポッド)」でお気に入りの曲を聴きながら、コップ酒を1杯か2杯飲みます。洋楽、邦楽は問いません。天童よしみの演歌にはまっているときもあります。酔いとともに歌が染みていきます。「心の補水液」ですね。

 長居せず1~2時間で引き揚げます。仕事仲間と行かないのもポイント。話題が悪口や愚痴になりがちですから。

 心のバランスを保つには、緊張する時間も必要。フリーになった今も、ラジオ関西やコミュニティーFMの音楽番組、ジャズイベントなどの仕事を引き受けています。ミュージシャンとのやりとりは気を使うし、エネルギーが要ります。でも、仕事が終わると心を切り替えて、違う自分になります。「緊張と緩和」が重要です。

 仕事の第一線から引退していても、例えば人前で歌うとか、短歌や俳句を発表するとか、自分に負荷をかける機会を持ちたい。その後に、思い切り自分を解放するのです。

 心を「初期化」する良い方法があります。掃除や料理など家事に打ち込むこと。特に料理は、サラリーマン時代に鍛えた「段取り」の能力が生きますよ。家族からも「おいしい」と好評です。趣味ではなく、生活の一部として無心でする感覚。心の弾力を保つ効能があると思います。(聞き手・田中伸明、協力・兵庫県予防医学協会)

【いまばやし・きよし】1949年生まれ。関西大を卒業後、73年ラジオ関西入社。フリーとなった現在も「阪井楊子の雨に濡(ぬ)れても」(日曜午後7時半~8時)を担当。神戸市垂水区在住。

今林さんが勧める三つの作法

一、愚痴も悪口も無縁な「一人酒」を楽しむ

一、「緊張と緩和」で心のバランスを保つ

一、家事に打ち込むことで心を「初期化」

ラジオ関西電話リクエスト

 1952(昭和27)年に始まった日本初の洋楽電話リクエスト番組。通称「電リク」。紹介されたレコードにまつわる今林さんの新聞連載をまとめた「ラジオ関西10万枚のレコード物語」(神戸新聞総合出版センター)が昨秋、発刊された。

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