医療

長寿の作法
医療や福祉現場で活躍する人々が、健康寿命を延ばす工夫を紹介します。
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都筑千景さん
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都筑千景さん
ボランティアの協力を得て、教職員、学生が地域の健康増進に取り組む「まちの保健室」=昨年10月、神戸市西区の神戸市看護大学
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ボランティアの協力を得て、教職員、学生が地域の健康増進に取り組む「まちの保健室」=昨年10月、神戸市西区の神戸市看護大学

 高齢化や核家族化が進行する中、地域で孤立するお年寄りが増えています。健康で長生きできる社会を実現するには、地域のつながりを強め、高齢者を支える機能を高める必要があります。

 そのためにはどうすればよいか。自治会など従来の組織に頼るのは限界があります。強いリーダーがいて縛りも強い組織ではなく、自発的に住民がゆるくつながるネットワークが求められています。

 団塊の世代が75歳以上となる「2025年問題」の解決に向け、各地で住民が主体となって介護予防活動や見守り活動を進めています。行政は、近い将来の少子化や高齢化のデータなど地域の課題を住民に詳しく示し、自分たちの問題として認識してもらえるよう工夫しながら働きかけています。その結果、住民が自主的にグループを立ち上げ、認知症カフェやサロンなどの事業を始めています。キーワードは「お互いさま」。いつか自分も支えられる、との思いがあるのではないでしょうか。

 神戸市でも、地域包括支援センターなどが中心になって地域診断を行い、住民と情報を共有しながら、ネットワークをつくる事業を進めています。神戸には坂の多さやニュータウン住民の高齢化など地域特有の課題があり、住民の力を借りながら一緒に取り組んでいくことが大切です。

 私が勤める神戸市看護大学でも、地域連携教育の一環で近隣の住民に「教育ボランティア」への登録をお願いしています。授業で患者役などを演じてもらったり、実習で自宅訪問させてもらったりしています。ボランティアの皆さんは高齢の方が多いですが、とにかくお元気なことに驚きます。学生との交流に刺激を受けておられるようで、定年などで仕事の第一線を退いた後も、社会参加することの大切さを実感します。

 学生の側も、普段聞く機会の少ない「人生の先輩」の思いが聞けて、貴重な学習の機会になりますし、地域住民と大学とのつながりをつくることにもつながっています。

 「まちの保健室」の一環で、生活体力測定と健康相談も行っています。「毎年参加します」というリピーターさんも多く、地域の皆さんの健康づくりに役立てていただいています。大学もネットワークの一員として、地域に関わっていくことが大切と思います。

 あらゆる世代が「お互いさま」の精神でつながる社会が実現するといいですね。(協力・兵庫県予防医学協会、聞き手・田中伸明)

【つづき・ちかげ】大阪市出身・在住。大阪府立看護短大、大阪市立厚生女学院卒業。看護師、市町村保健師を経て、東京大学大学院博士課程修了(保健学)。2011年から神戸市看護大学教授。

都筑さんが勧める三つの作法

一、地域のボランティアなどに積極的に参加

一、「お互いさま」の精神で助け、助けられる

一、異世代との交流で心身をリフレッシュ

神戸市看護大学の地域貢献活動

 健康講座や体験学習、相談などを行う「まちの保健室」、小学5、6年生と乳幼児が触れ合う「命の感動授業」のほか、地域住民が教育ボランティアとして協力する授業を実施。問い合わせは古谷さんTEL078・794・8080

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