医療

長寿の作法
医療や福祉現場で活躍する人々が、健康寿命を延ばす工夫を紹介します。
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鎌田寛さん 
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鎌田寛さん 
肩と腕を水平に回す頭痛体操。片頭痛を減らす効果があるとされる=神戸市東灘区向洋町中2、六甲アイランド甲南病院
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肩と腕を水平に回す頭痛体操。片頭痛を減らす効果があるとされる=神戸市東灘区向洋町中2、六甲アイランド甲南病院

 頭の片側が痛む「片頭痛(へんずつう)」は女性に多い病気で、生活の質を下げがちです。世界保健機関(WHO)は「一生のうち健康に生きられる期間が2、3年縮まる」としています。片頭痛で困っている場合は、専門医を受診してうまく和らげることが大事です。

 頭痛を感じるのは半数以上が片側ですが、両側が痛む人も4割ほどいます。15歳以上の日本人の8%が片頭痛を有し、ピークは20~40代の働き盛りです。女性ホルモンとの関係もあって閉経後は少なくなりますが、70代くらいの方も一定の割合でおられます。

 症状はこめかみなどがズキズキと脈をうつような痛みが多いです。患者の8割ほどが中等度以上で、動作によって痛みが増します。発作は月に2回前後で、1回の発作時間は平均9時間くらいといわれます。「家事や子育てができない」「仕事に行けない」など、患者の7割以上が日常生活に支障をきたしています。

 原因は、頭の血管周囲に分布している脳神経である三叉(さんさ)神経が何らかの誘因で血管を広げる物質を放出し、周囲に炎症が起こるためなどと考えられています。

 問題なのは、片頭痛の社会的認知度が高くないことです。市販の痛み止めを飲めば治る程度に思っている人が多くいます。軽症ならそれでも効きますが、服用して効かなくても放置してしまいがちです。早く治そうとして、処方された薬も含め鎮痛剤を飲み過ぎ、かえって頭痛がひどくなることがあります。鎮痛剤を長年飲み続け、高齢になって使用過多になる方もいます。

 対処法としては、なるべく頭痛専門医のいる医療機関で診断を受けることが大事です。専用の治療薬がそろい、大事な場面に使える即効性のあるものもあります。本人の状況に合わせて、予防薬を飲むこともできます。

 自分はどういう場合に頭痛が起きやすいかを知ることも大事です。光や騒音に加え、眠りすぎや睡眠不足、ストレスなどが誘発因子になりえます。生活を改善し、避けられる誘因は避けるようにしましょう。

 片頭痛の頻度を減らすために、1日2分でできる「頭痛体操」も勧めています。首を動かさず、肩と腕を左右交互に水平に回します。首をこまの芯にして、首と頭を支える筋肉をほぐして脳に良い刺激を送ります。生活改善の一つの方法としてやってみてください。(聞き手・森 信弘、協力・兵庫県予防医学協会)

【かまだ・ひろし】1973年、神戸市生まれ。岡山大大学院博士課程修了。米スタンフォード大学留学などを経て、2015年4月から現職。神戸市東灘区在住。頭痛専門医。

鎌田さんが勧める三つの作法

一、片頭痛の疑いがあれば頭痛専門医を受診する

一、市販薬や処方される鎮痛剤の使用過多に注意する

一、自分がどういうときに片頭痛になりやすいかを知る

頭痛専門医

 日本頭痛学会が試験などを行って認定する。必要な研修を受け、学術雑誌に頭痛関連疾患の論文を発表していることなどが条件。専門医の名簿は同学会のホームページで公開。兵庫県内では37人が認定を受けている。

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