医療

長寿の作法
医療や福祉現場で活躍する人々が、健康寿命を延ばす工夫を紹介します。
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神尾雅之さん
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神尾雅之さん
神戸市垂水区歯科医師会が毎年実施している「いい歯まつり」。口内の健康は元気な老後につながる=昨年10月、神戸市垂水区
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神戸市垂水区歯科医師会が毎年実施している「いい歯まつり」。口内の健康は元気な老後につながる=昨年10月、神戸市垂水区

 皆さん、永久歯は何本あるかご存じですか? 正解は28本。今年の年号、平成28年と同じです。新年に当たり長寿と歯についてお話しします。

 私たち歯科医は「8020」という運動を続けています。80歳になっても永久歯を20本以上残そうという意味です。20本あればかみ合わせる力が70%以上維持でき、のみ込む力も保たれます。このことが健康長寿に重要だと最近の研究で分かってきました。

 永久歯が20本以上ある高齢者は、19本以下の人に比べ認知症になりにくく、転倒しにくいのです。19本以下の人もがっかりしないでください。入れ歯を使えばリスクを下げられます。かむ刺激が脳を活性化し、認知や身体の機能を維持すると考えられます。

 私の医院に通う患者さんで、80歳を過ぎても歯の健康を保っている方がいます。自転車やミニバイクでさっそうと通院され、見た目も非常に若々しい。歯が人生に好影響を与える例だと思います。

 歯の健康には歯磨きが欠かせませんが、方法を誤れば効果は薄い。歯の隙間は歯ブラシでは磨けないので、歯間ブラシやデンタルフロスで補うことが大切です。間違った歯磨きを繰り返すより、寝る前に1回、正しく磨く方がはるかに効果的です。

 介護が必要になっても歯のケアは重要。介護者が磨くことが多いと思いますが、ブラシに水を含ませ過ぎてはいけません。汚れた水が口内にたまり気管に誤って入ると、誤嚥(ごえん)性肺炎の原因になります。

 入れ歯の場合も小まめに洗う必要がありますが、洗浄剤を使った後、よく水洗いをしないと歯茎を傷めるので注意が必要です。入院すると入れ歯を外しっぱなしにする方がいますが、介護予防の観点からきちんと装着すべきです。

 健康長寿のキーワードとして近年、口腔(こうくう)ケアが注目されるようになりました。口の中の健康を保てば、コミュニケーションや食の質が高まり、人生の質も高められます。(聞き手・田中伸明)

【かみお・まさゆき】1972年生まれ。兵庫県立長田高、岡山大歯学部卒。2003年、かみお歯科医院を開業。昨年7月、神戸市歯科医師会理事。同市垂水区出身・在住。

歯と健康長寿

 神奈川歯科大の研究では、歯が20本以上の人に比べ、ほとんどない人(入れ歯不使用)は認知症リスクが1.85倍、19本以下の人(同)は転倒リスクが2.5倍。入れ歯使用でリスクは低下。

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