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ネズミの嫁取りを20メートル以上の巻物で表現した鼠草紙。周囲に並ぶ調度品や小物も雰囲気をもり立てる=篠山市立歴史美術館
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ネズミの嫁取りを20メートル以上の巻物で表現した鼠草紙。周囲に並ぶ調度品や小物も雰囲気をもり立てる=篠山市立歴史美術館

 世界で人気を呼ぶ日本のアニメの原点として、絵巻物に焦点を当てた企画展が兵庫県篠山市立歴史美術館(呉服町)で開催されている。藩主青山家伝来で現在は市指定文化財の「鼠草紙」と「源氏物語」の2巻と、物語に登場するような食器や装束が並び、往時の雰囲気が楽しめる。鼠草紙は初公開部分も展示されており、細かく描き込まれた表情やしぐさ、彩色の鮮やかさ、生き生きした姿は21世紀の今も目を引きつける。

 文学作品や物語を絵画と組み合わせた絵巻は奈良時代から鎌倉・室町時代にかけて発達し、説話や物語などテーマは多岐にわたる。鳥獣戯画など漫画の原点といわれる作品もあり、企画を「絵巻-EMAKI-~ジャパンアニメーションの原点~」と題し、市内でも近年増加傾向という外国人観光客の視点も意識した。

 展示されている源氏物語絵巻は12代目藩主忠裕の所有物。物語全54巻のうち「須磨」と「明石」の2巻分で60メートルを超す大作に華やかな貴族の生活と入り組んだ恋愛物語が描かれる。

 また、老ネズミが若い人間の姫をめとる物語を描いた鼠草紙は室町時代の原作で、展示物は江戸時代の写本と見られる。披露宴の支度をする家来ネズミが漫画の吹き出しのように準備の大変さを愚痴るなどユーモラスな表現が楽しめる。最後は姫が夫をネズミと気付いてワナで退治し、家を出て行く物語だが、10代目藩主忠高の夫人が持参した嫁入り道具だったという。

 特に鼠草紙は国内に残るという3点の中でも彩色が良好で史料価値も高い。通常は全26メートル中5メートルほどしか公開されていないが、今回は23メートルが公開され、物語の大半が楽しめる。ほか食器やひな人形、儀礼用衣装など、絵巻物を眺めていた藩主や姫の周囲を飾ったであろう品々も並び、同館では「セリフやしぐさ、今の漫画やアニメにも通じる、生き生きとした登場人物の姿を楽しんで」としている。

 午前9時~午後4時半。月曜休み(祝日の場合は翌平日)。大人500円。12月2日まで。同館TEL079・552・0601

(中西幸大)

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