但馬

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香美町が建設したトイレ(左側)より小さく見える柴山駅の新駅舎=兵庫県香美町香住区浦上
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香美町が建設したトイレ(左側)より小さく見える柴山駅の新駅舎=兵庫県香美町香住区浦上
建て替え前の木造駅舎(兵庫県香美町香住区浦上)=2018年11月
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建て替え前の木造駅舎(兵庫県香美町香住区浦上)=2018年11月
1947年の開業日に大阪鉄道局長が揮毫(きごう)した柴山駅の看板。現在は香美町が保管している=兵庫県香美町役場本庁舎
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1947年の開業日に大阪鉄道局長が揮毫(きごう)した柴山駅の看板。現在は香美町が保管している=兵庫県香美町役場本庁舎
新駅舎のひさし。冬場には混雑する観光客がこの下で雪をしのぐ=兵庫県香美町香住区浦上
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新駅舎のひさし。冬場には混雑する観光客がこの下で雪をしのぐ=兵庫県香美町香住区浦上

 山陰有数の漁港・柴山港(兵庫県香美町香住区沖浦)に近く、マツバガニシーズンには観光客でにぎわうJR柴山駅の駅舎が新築され、1月下旬から利用されている。築70年を超えていた木造駅舎は2年前に解体され、平屋のコンクリート製駅舎に生まれ変わった。喜ばれているはずの地元では、こんな声がささやかれている。「新しい駅舎は、駅前のトイレより小さいのでは」-。駅とトイレ、どっちが大きい?(金海隆至)

 JR西日本福知山支社によると、新駅舎は高さ約3メートル、面積は約15平方メートル。待合室(約11平方メートル)に2人用ベンチが二つ置かれ、空調設備はない。通学に利用する中高生に限れば十分なスペースではある。

 しかし、駅周辺では10軒余りの民宿・旅館が営業。マツバガニの漁期となる11月~翌年3月には、京阪神などから名物のカニすき料理を目当てに多くの観光客が訪れる。駅舎にひさしはあるが、強い雨風や雪をしのぐには心もとない。この冬も混雑する待合室を離れ、ホームで傘を差して列車を待つ観光客の姿が見られた。

 同町の初代町長を引退後、妻が経営していた民宿を手伝った藤原久嗣さん(80)=同町=は「雪の日が増えれば列車の利用が多くなる。観光客が詰め掛ける時間帯を考えると、広さが物足りない」と不満げに話す。

    ◇

 駅舎に隣接するトイレは2014年、同町がJR側から土地を無償で借り、約630万円をかけて建設したという。男女兼用と女性専用の2室を備え、高さ約3・1メートル、面積は約11平方メートル。新駅舎よりもわずかに高いが、面積は4平方メートルほど狭い。見た目には小さい駅舎のほうが広いのだ。

 同町によると、JRが13年、維持管理していたくみ取り式トイレを解体し、「再築しない」としたことがきっかけ。同町が地元の要望も聞き、新たに洋式トイレを建設した。当時、JR側から「近隣の住民が使用するから、トイレをなくしてはだめ」とくぎを刺されたといい、同町の担当者は「自分たちが壊しておきながら、何を言うのか」と憤まんを隠さない。

 JR西日本福知山支社によると、駅のトイレについては約20年前から「改札の内側はJRが整備し、外側は地元自治体に依頼する方針」という。担当者は「地元の住民が多く利用するのが理由。他の自治体の駅でも同様にしている」と強調する。

    ◇

 柴山港漁業協同組合史によると、底引き網漁業が発展した柴山地区では、明治末期から鉄道駅設置が住民の悲願だった。昭和になると漁業者が中心となって運動を展開。戦前には大阪鉄道局を訪れ、佐藤栄作局長(後の首相)にも陳情した。

 追い風は戦後の食糧難だった。柴山港に水揚げされる豊富な魚介類を京阪神へ貨物列車で出荷するため1946年秋、地元が費用を負担して専用の線路が敷かれ、プラットホームと仮の乗降場が誕生。47年6月26日、正式に開業した。

 利用客減少で84年に無人駅となった。地元区長の柴田章二さん(61)は「かつての木造駅舎のほうが良かったという人もいるが、駅はあるだけでありがたい」と話す。新型コロナウイルス感染拡大で開催できなかった完成式典を「開業73年を迎える6月26日に実現できれば」と願っている。

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