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高齢者講習で視野を測定する男性=尼崎市西昆陽4
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高齢者講習で視野を測定する男性=尼崎市西昆陽4
教習車で運転技能を再確認。方向変換でポールと車体の位置を確認するドライバーと指導員=尼崎市西昆陽4
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教習車で運転技能を再確認。方向変換でポールと車体の位置を確認するドライバーと指導員=尼崎市西昆陽4
神戸新聞NEXT
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 ドライバー側に責任がある交通死亡事故のうち、70歳以上の高齢者が過失の最も重い「第1当事者」となる割合が高まっている。2018年には全国で初めて2割を超えた。加齢によるハンドルやブレーキの操作ミス、おろそかになる安全確認-。これらが原因の事故をどう防ぐかが課題となる中、70歳以上が運転免許更新前に義務づけられている「高齢者講習」の受講者は年々増えている。(山本 晃)

 「バックのときはハンドルを早く切って」「しっかり止まって左右を見てください」。教習コースで、指導員が高齢男性にアドバイスする。

 兵庫県尼崎市西昆陽4の自動車教習所「武庫川自動車学園」に8月、高齢者講習の専用施設がオープンした。70歳以上のドライバーが運転免許の更新に先立ち、運転実技や講義だけでなく、運転に必要な視力や視野の検査に臨む。

 教習所内を車で走行する運転実技は数人一組で行う。指導員は助手席に座り、各受講者の運転の癖を見抜く。例えば、踏切や交差点での一時不停止や、バックの際に後方を十分に確認しない-などだ。

 高齢になると対向車や歩行者の動きが見えにくくなるため、加齢とともに衰えがちな動体視力や夜間視力も測定する。同学園によると、動体視力の良さを示す数値の年代別平均は、20~40代の0・8に対し、71~75歳は0・1と大きく下がる。自身の結果から、視力の衰えも実感してもらう狙いがある。

 17年3月からはさらに、75歳以上の高齢者は事前に「認知機能検査」を受け、その点数によって講習内容が変わる制度に改められた。点数が基準以下の高齢者は、ドライブレコーダーの映像を使った個別指導が加わる。自身が運転する映像を見ながら、危うさに気付いてもらう。

 指導員の宮松宏和さん(63)は「運転経験の長さが自信につながり、安全確認がおろそかになることもある」と指摘する。

 受講した同県宝塚市の男性(78)は「自分は一時停止したつもりだったが、映像を見返すとできていなかった」と話す。同県西宮市の男性(69)も「最近、夜の運転が怖くなってきた。今回は更新するつもりだが、そろそろ返納も考えなければ」と受け止める。

 専用施設を設けた本年度、同学園での受講者数は3年前の2倍以上となる約1万8千人になる見込み。磯貝敏雄副学園長(53)は「衰えには個人差があるが、講習を通じて『もう若い頃のようにはいかない』と気付いてもらいたい」と話す。

     ◇     ◇

■車が欠かせない地域では「受講待ち」常態化

 今年4月、東京・池袋で当時87歳の男性が運転する乗用車が暴走し、当時31歳と3歳の母子2人が死亡、8人が重軽傷を負う事故が起きた。警視庁は今月12日に男性を書類送検し、起訴を求める「厳重処分」の意見を付けた。高齢ドライバーの事故対策は待ったなしの課題になっている。

 一方で、地域によっては車が生活に欠かせず、高齢者講習の「受講待ち」が常態化している問題もある。運転免許を保有する高齢者が増える中、法制度の在り方や車の安全性能の向上、車種や地域などを定める「限定条件付き免許」などが幅広く議論されている。

 警察庁によると、2018年、ドライバー側に重い過失があるとされた死亡事故はバイクなども含めて全国で3099件発生。うち70歳以上が「第1当事者」となったのは709件で全体の22・9%を占め、10年前に比べ8・4ポイント高まった。18年の統計では、50代と60代はともに15%台だった。

 17年以降は75歳以上の認知機能検査が強化され、「認知症の疑い」と判定されると、場合によっては免許が取り消しになる仕組みも導入された。(山本 晃)

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