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ミツマタの加工について福元晶三市長(中央)に説明する村岡龍男氏(右端)=1月、宍粟市一宮町生栖
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ミツマタの加工について福元晶三市長(中央)に説明する村岡龍男氏(右端)=1月、宍粟市一宮町生栖
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 兵庫県宍粟市雇用創生協議会の不正疑惑が明るみに出て12日で1週間。かつて「神戸市会のドン」と呼ばれた父とともに権勢を誇った元神戸市議の村岡龍男氏(59)は、どうやって縁のない宍粟で事業を取り仕切るようになったのか。取材からは、会員制交流サイト(SNS)で地元名士との人脈を広げつつ、地域の活性化に熱意を見せて取り入ってきた姿が浮かび上がった。

 「すっかり更生したんだな、と思った」

 村岡氏と宍粟を結び付けた、神戸時代の知人は振り返る。

 3年前、宍粟市波賀町北部で紙幣などの原料になる植物「ミツマタ」の事業化を目指しているのを知り、声を掛けられた。村岡氏は2006年の汚職事件で市議を辞職後、医療系の事業に失敗し、神戸でボランティアをしていたという。

 「人をあごで使っていた」市議時代の雰囲気はすっかり消えていた。山を歩き回ってミツマタの群生地を探したり、島根県の産地を見に行ったり。「あの人が汗を流す姿を初めて見た」

 17年5月には、一般社団法人「ミツマタの郷」を設立。村岡氏は「兵庫県ミツマタ研究所代表」を名乗り、紙幣を製造する国立印刷局へのミツマタ納入を目指して活動を始めた。一時は兵庫県佐用町で活動したが、住民とトラブルがあり、宍粟に軸足を戻した。

 協議会副会長で、宍粟では著名な林業家の男性(66)との接点は、SNSだった。村岡氏が「フェイスブック」に投稿したミツマタ群生地の写真。男性は「うちの山にもあるよ」とコメントを寄せた。ミツマタを耕作放棄地で栽培するプランも魅力的に映った。「神戸から足しげく通い、熱心に取り組んでいた」

 信頼を得た村岡氏が、厚生労働省の実践型地域雇用創造事業を知ったのは昨年6月。すでに募集の締め切りが迫っていた。それでもミツマタやジビエ(野生鳥獣の肉)を利用して3年間で181人の雇用を創出する計画を立て、書類を5日間で作成した。

 協議会会長には地元首長が就任する必要がある。村岡氏は林業家男性らと市長室を訪ねた。説明を聞いた福元晶三市長は「林業家らの熱意を断れなかった」と承諾した。村岡氏とは初対面。「市議時代の事件は知らなかった」と明かす。

 村岡氏が作成した応募書類は市長の公印を押して提出。応募4団体中トップの成績で採択された。

 「国の事業だから」と市は運営にノータッチ。3年間で約1億7千万円の予算を持つ団体を、村岡氏がほぼ一人で動かすことになった。(古根川淳也)

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