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屋台が通れる幅に狭めて存続することになった茶ノ木踏切=姫路市網干区高田
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屋台が通れる幅に狭めて存続することになった茶ノ木踏切=姫路市網干区高田
播磨で最大規模の氏子地区を擁する魚吹八幡神社の秋季例祭=姫路市網干区宮内
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播磨で最大規模の氏子地区を擁する魚吹八幡神社の秋季例祭=姫路市網干区宮内

 JR山陽線をまたぐ兵庫県姫路市・太子町境のバイパス工事で、廃止が取りざたされていた兵庫県道の踏切の保存が決まった。高架化されるバイパスでは秋祭りの屋台が安全に往来できないとして、ルートとしての必要性を地元が強く主張。普段は人や自転車のみの通行に限り、祭りの2日間だけ車止めを外すという「屋台ファースト」の踏切となる見通しで、JR西日本は「極めて珍しいケース」とする。(小川 晶)

 存続が決まったのは、JR網干駅西側を南北に通る県道太子御津線(県道27号)とJR山陽線とが交わる茶ノ木踏切。ラッシュ時間帯の渋滞が激しく、太子御津線の西側約100メートルに高架のバイパスを通す事業が県主体で2011年度に始まった。

 JR西によると、同様の工事の場合、事故防止やバイパスへの車両誘導の観点から、既存の踏切は撤去するのが通例だが、茶ノ木踏切を巡っては地元から「ぜひとも残してほしい」と待ったがかかった。

 理由は、毎年10月21、22日に執り行われる魚吹(うすき)八幡神社(姫路市網干区宮内)の秋季例祭。屋台を出す18地区のうち、網干駅周辺の5地区が茶ノ木踏切を横断しており、高架のバイパスに代わると、1トン超の屋台の上り下りに危険が伴うとの訴えだった。

 陳情をひっきりなしに受けたという地元の市議は「渋滞がなくなるのは誰もが歓迎していたが、祭りは別もの」と振り返る。5地区の一つ、高田地区の本田眞一郎自治会長(68)も「江戸時代から続く祭りの存在は、氏子の体に刷り込まれている」と表現。当日は学校や企業も休みになるなど浸透しており、氏子からは「屋台は鉄道ができる前から通ってたんや」との極論が出たほどだという。

 地域からの強い要望を受け、県はJR西と対応を協議。歩行者らの利便性も踏まえ、茶ノ木踏切の代わりに、近くの柿の坪踏切を廃止する▽茶ノ木踏切は残すが、自動車が通れないようにする-との結論で合意したという。

 県姫路土木事務所によると、茶ノ木踏切の幅員を屋台が通れる5メートル程度に狭め、車止めを設置。秋祭りの2日間だけ、車止めを外して屋台が通行できるようにする方向で調整している。

 担当者は「行政として道路の安全管理だけでなく、地域の文化を守ることも大切だと考えた」と説明。バイパスは橋台の建設が既に始まっており、20年度以降に完成する見通しという。

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