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ワジェンキ公園のショパン像=ポーランド・ワルシャワ市内
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ワジェンキ公園のショパン像=ポーランド・ワルシャワ市内
ショパンの代表作の根底にある農村舞踊マズルカ=ポーランド・ワルシャワ市内
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ショパンの代表作の根底にある農村舞踊マズルカ=ポーランド・ワルシャワ市内

 初夏の芝生広場にショパンの銅像が威容を誇る。ポーランドの首都・ワルシャワの市街地にあるワジェンキ公園は、晴天に恵まれていた。風に乗って、代表作「軍隊ポロネーズ」が聞こえる。たどると、石造ベンチのスピーカーから流れていた。

 フリデリク・ショパン(1810~49年)はこの国で生まれた。「ピアノの詩人」と呼ばれ、数多くの名曲を残した。

 毎年夏の日曜日に像の隣で演奏会が開かれ、プロや優秀な大学生らが巨匠の名曲を弾く。昨年は5~9月に42回あり、約8万人が耳を傾けた。

 同国に長年住み、ショパンを愛するピアニスト西水佳代さん(56)=伊丹市出身=は「今年7月に訪れた。芝生広場にシートを敷いて聞く人や、カメラを持った外国人らで埋め尽くされてすごい熱気だった」と話す。巨匠の調べは、生誕200年を超えて、今も人々の心を癒やし続ける。

 ポーランドは列強に囲まれ、多くの戦乱に巻き込まれた。国土は何度も蹂躙(じゅうりん)された。ショパンの時代は3国に分割され、ワルシャワはロシアに統治された。

 ショパンはそんな祖国の風景をピアノの音で描いた。代表作のマズルカは農村舞踊のリズムが根底にあり、ポロネーズは祖国の栄光をたたえる。ワルツ、バラードにも望郷の念を込めた。

 その思いは楽譜を通じて日本にも伝わった。神戸ゆかりの小倉末子さん、原智恵子さんらが浸透させる基礎をつくった。戦後、恋愛映画やドラマの挿入歌にしばしば登場する。切なく、優しいメロディーが、日本人の心をひきつけた。

 ショパンはポーランド人にとって母国の誇りであり、心の支えでもある。その軌跡は国内の随所でたどることができる。

 ワルシャワ市内のフリデリク・ショパン博物館には自筆の楽譜、家族や知人宛ての手紙など貴重な資料6300点が保存される。聖十字架教会には心臓を埋め込んだ柱が残る。国立ワルシャワ・フィルハーモニーのホールでは「ショパン国際ピアノコンクール」が開かれる。首都から約55キロのジェラゾヴァ・ヴォラには生家がある。

 国立フリデリク・ショパン研究所は、関連施設を統括する。アルトゥル・シュクレネル所長は、その意義をこう話す。

 「ショパンは世界中に影響を与えた。自筆の楽譜はその原点に位置づけられ国宝級の宝です。私たちはそれらの遺産を守る義務があります」

 ワジェンキ公園のコンサートもその延長線上にある。ピアニストの奏でる音は、巨匠の魂を伝えている。

        ◆    ◆

 日本とポーランドの国交樹立100周年を記念した「ショパン-200年の肖像」展(神戸新聞社など主催)が、10月12日に神戸市中央区の兵庫県立美術館ギャラリー棟で開幕する。日本人にも人気が高いショパン。その理由や、どのように広がったのかを探る。(津谷治英)

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