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直売所で野菜や果物を選ぶ子ども食堂のスタッフ(左)=神戸市西区押部谷町高和、六甲のめぐみ
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直売所で野菜や果物を選ぶ子ども食堂のスタッフ(左)=神戸市西区押部谷町高和、六甲のめぐみ
提供された野菜をおいしそうに頬張る子ども=神戸市北区南五葉1
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提供された野菜をおいしそうに頬張る子ども=神戸市北区南五葉1

 直売所で売れ残った野菜などを子ども食堂に無償で提供するモデル事業を、神戸市が始めた。JA兵庫六甲(神戸市北区)が協力。運営が厳しい子ども食堂を支えながら、直売所での食品ロスを減らす狙いもある。自治体がこうした仲介をする例は全国的にも珍しく、同市は取り組みを広げていく方針だ。(伊田雄馬)

 8月21日、同JAの直売所「六甲のめぐみ」(同市西区)。前日に売れ残った野菜や果物が、複数のコンテナケースに用意された。手に取りながら選んでいるのは、子ども食堂を運営する3団体。NPO法人「インクルひろば」(同市北区)の松岡喜久子代表はイチジクを見つけ、「普段の予算では手が出ない。形が面白い野菜は子どもたちに見せてあげたい」と声を弾ませた。

 翌22日、同NPOの子ども食堂にさっそく、ピーマンの肉詰め、ナスとズッキーニのみそ炒めなど7品が並んだ。料金は子ども100円、大人500円。3人の子と訪れた会社員(34)は「家庭でこれだけの野菜を使うのは難しいので、本当に助かる」と喜んだ。

 子ども食堂の運営資金は寄付や開催者の自己負担に頼る場合が多く、食材を買う費用は経営を圧迫する要因となっている。

 一方、国内では年間約643万トン(2016年度、農林水産省調べ)の食品が捨てられている。同市は当日出荷された青果物のみを販売し、大量の廃棄食材が出る直売所に着目。この“マッチング”を思いついた。

 JA兵庫六甲も「廃棄にかかる費用を減らせる」と歓迎。食べ方や賞味期限については、売り場の担当者が子ども食堂スタッフに助言する。

 8月の初回が好評だったため、市は10月以降、子ども食堂を運営する8団体に声を掛け、月4回、食材を提供する。こども青少年課は「20年度から本格実施する方向。直売所から食材を集める拠点を設け、そこから各団体へ運ぶ仕組みも検討したい」とする。

 各地の子ども食堂が加盟する「こども食堂ネットワーク」(東京)は「行政の支援は助成金によるものが多く、直接食材の仲介に乗り出すのは珍しい」と話す。

■子ども食堂、全国で急増も 食材費が経営圧迫

 子ども食堂の数は急増している。NPO法人「全国こども食堂支援センター・むすびえ」(東京)などの調査によると、全国3718カ所(6月時点)で昨年比1.6倍。兵庫県内は188カ所(昨年9月時点)ある。経済的な支援という側面だけでなく、地域の交流の場としても活用されている。

 一方、無料か低額で食事を提供するため、運営はおおむね苦しい。農林水産省が昨年3月発表したアンケートでは、全国274団体の6割が「過去1年間以内に、助成金や寄付以外の持ち出し資金を運営費用に充てた」と答えた。

 支援に乗り出した民間企業もある。「業務スーパー」を展開する神戸物産(兵庫県稲美町)は昨年末から月1回、県内の子ども食堂に食材を提供し、社員が調理や後片付けも担う。同社は「食を通じた社会貢献を続けていきたい」と話す。

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