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ビール瓶の大瓶は「おおびん」?「だいびん」?(Hassyoudo/stock.adobe.com)
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ビール瓶の大瓶は「おおびん」?「だいびん」?(Hassyoudo/stock.adobe.com)

 生ビールの中ジョッキの呼び方について記事を公開すると、<ビール「大瓶」の読み方も2つあります>との意見が複数寄せられた。今度こそ、「全国アホ・バカ分布考」のような言葉の深遠に触れることができるはず…意を強くして取材を始めた。(ネクスト編集部 金井かおる)

■SNSでは「東おおびん、西だいびん」

 8月24日から7日間、ツイッターの神戸新聞公式アカウントでアンケートしたころ、2322票が投じられた。内訳は、「だいびん」(東日本在住)3%、「だいびん」(西日本在住)55%、「おおびん」(東日本在住)11%、「おおびん」(西日本在住)32%だった。東日本では「おおびん」優勢、西日本では「だいびん」優勢という傾向がうかがえた。

■ビール酒造組合は 

 サントリー、アサヒ、キリン、サッポロ、オリオンのビールメーカー5社が加盟する、ビール酒造組合(東京都中央区)広報担当者に聞いた。

 ーメーカーはどちらですか。

 「業界内でも両方使いますよ。東西差を感じたこともありません。どちらかに統一するといった動きもありません」

 そんな中、有力情報を耳にした。ビール1ケース(大瓶633ml×20本)の単位を、「だいびん換算」または「P大(ピーだい)換算」と呼ぶというのだ。P大のPとは、プラスチック製ビールケースのことらしい。

 例えば、メーカーの社内会議で「今年の販売目標は『だいびん換算』で1億6000ケース」、酒問屋とのやりとりでは「『だいびん換算』で10ケース注文」といった言い回しが頻繁にあるそう。ビール業界として呼び方は固定していないものの、慣習としては「だいびん」という言葉を使っているのだ。

 余談だが、酒店に出荷する際、瓶と缶がケースの中に混在していることがあり、これは「平数(ひらかず)」または「在姿(ざいし)」と呼ぶ。

■言葉の原則は「だいびん」

 日本語研究のプロ、佐竹秀雄さんに聞いた。武庫川女子大学言語文化研究所の前所長で、現在は日本漢字能力検定協会現代語研究室長を務める。

 ー「だいびん」「おおびん」どちらが正解ですか。

 「正しい、間違いはありません」

 佐竹さんによると、和語と漢語が関係しているという。一般論として2つの語がつながるとき、日本生まれの和語(訓読み)と中国由来の漢語(音読み)が関係する。和語と和語、漢語と漢語が結びつきやすい。大瓶の場合は、「瓶」が漢語なので、漢語の「大」と結びつきやすい。しかし、中には例外もある。例えば、「お元気」は、和語の「お」と漢語の「元気」が結びついている。「元気」は漢語が日常化し、元からある日本語のような扱いになったと考えられる。

 ー大瓶の場合は?

 「言葉の原則からいうと『だいびん』になります。しかし『お元気』と同じように『瓶』自体が日常化し、元からある日本語のようになっているので、和語+漢語の『おおびん』でも不自然ではないと考えられます」

 結論から言えば、両方OK、どっちでもいいんかーい。次回は、チューハイとサワー、酒のアテとつまみの違いについて。酒の呼び名あれこれシリーズの最終回です、多分。

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