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虚偽記載が判明した女性のケース記録のコピー。現在は削除されている(一部を加工しています)
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虚偽記載が判明した女性のケース記録のコピー。現在は削除されている(一部を加工しています)

 兵庫県明石市の50代の男性職員(当時)が生活保護受給者の生活状況を詳しく記す「ケース記録」に、虚偽の記載を繰り返していたことが11日、関係者への取材で分かった。面会していないにもかかわらず家庭訪問をしたと内容を捏造(ねつぞう)し、「社会適応能力に著しく欠ける」など人格を否定するような言葉も記していた。職員はすでに退職しているが、市は虚偽公文書作成罪に当たる可能性があるとして調査を進める。(藤井伸哉)

 ケース記録は、ケースワーカーが通院や就労状況など生活保護受給者の暮らしぶりを記録し、保護を継続するかどうかの根拠などを詳しく書く。明石市では担当者が手書きやパソコンで記載し、係長級の「指導員」らが確認している。

 虚偽記載の対象となったのは50代女性。市は2017年4月~18年2月の計4件について、虚偽記載などとして記録を削除した。一度も面談していないにもかかわらず、「『お前、もっと早くあいさつに来んかいや』と大声でどなる」「私もいつも怒ってるわけないんや!」「薬の合う内科をさがしてみるように助言した」などと書いていた。虚偽記載により、受給額の増減などに影響はなかったという。

 女性が18年5月、家庭訪問をしない元職員に不信感を抱き、自分のケース記録を情報公開請求。虚偽の記載に気づき、市に指摘した。市生活福祉課の聞き取りに対し、元職員は当初、虚偽記載を否定した。

 女性は納得がいかず、今年に入って、法令順守を担当する市総務管理室の「コンプライアンス担当」に相談。再調査の結果、元職員が4月、虚偽記載を認めた。

 元職員は「忙しくて回ることができなかった。(虚偽記載を)安易に考えていた」と釈明し、「申し訳ありません」と謝罪したという。

 元職員は約90世帯を担当していたが、女性が公開請求する前の18年3月、一身上の都合で退職した。女性以外のケース記録について虚偽記載を否定しており、市は「現時点で元職員が担当したほかの記録を調査する予定はない」としている。

 女性は「社会的に弱い立場や困った人に寄り添うケースワーカーが、虚偽記載をして残念」と話した。

 同市の生活保護世帯は約4千世帯で、ケースワーカーは約50人。市は8月中旬、全ケースワーカーに虚偽記載の事実を伝え、担当記録に誤りがないかの報告を求めたが、名乗り出た職員はいないという。今後、再発防止策を検討する。

 市福祉局の野村信一局長は「福祉行政の根幹である生活保護への信頼を損ない、心からおわびしたい」と謝罪した。

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