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休眠預金制度の課題について理解を深めた勉強会=1月、神戸市中央区雲井通5
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休眠預金制度の課題について理解を深めた勉強会=1月、神戸市中央区雲井通5

 金融機関の口座で、10年以上出し入れがない「休眠預金」を使い、NPO法人などの民間公益活動を後押しする制度が来年度から始まる。原資となる眠ったままのお金は、毎年約700億円と巨額だ。市民活動を支える財源として期待される一方、資金を使った活動の評価は「成果」を重視するため「短期で成果を見せやすい分野に集中しかねない」との懸念も根強い。(段 貴則)

 今年1月、休眠預金について神戸市で開かれたNPO向け勉強会。兵庫県内外から約25人が参加し、関心の高さを示した。「助成希望が相次いだら、700億円でも足りなくなるのでは」。質疑では期待と不安が交錯した。

 講師を務めた認定NPO法人「市民活動センター神戸」の実吉威事務局長は、制度の概要や課題を説明。さまざまな活動に助成を行う民間団体のうち、助成額上位20団体の年間総額523億円と比較し、休眠預金の存在感を強調した。

 休眠預金の配分先は、国や地方自治体で対応が難しい社会課題の解決を目指す民間公益活動を想定。対象は、子ども・若者の支援▽日常生活・社会生活を営むのが困難な人の支援▽地域活性化など公益に役立つ活動-の3分野だ。休眠預金は、預金保険機構や日本民間公益活動連携機構を経て、配分先を決める資金分配団体からNPOなどに助成、貸し付けされる。第1弾として今秋に20億~40億円規模で始まる。

 長年資金繰りに頭を悩ませてきたNPOには、活動を支える財源になるという期待が大きい。一方で、全国のNPO関係者でつくる「現場視点で休眠預金を考える会」は昨年、懸念を表明した。「地域や社会的に弱い立場の人に寄り添ってきたNPO活動に、極めて大きな影響が予想される」というのが理由だ。

 国は、制度の基本方針について「解決に時間を要する分野や、定量的な成果が出にくいとされてきた分野にも活用されるよう配慮する」と説明する。ただ、休眠預金を使った活動には成果の可視化を求め、事前に示した目標の達成度合いを重視する方針だ。

 実吉さんは「地域社会や支援が必要な人を地道に支える活動は成果を示しにくく、念頭にないのではないか」と指摘。「社会課題を解決するための制度が、支援を必要とする当事者を置き去りにし、新たな社会課題を生み出しかねない」と警鐘を鳴らす。

【休眠預金】2009年1月1日以降の取引から10年以上、次の取引がない普通預金、貯金などが対象。一定の預入期間がある定期預金なども、期間の末日から10年間取引がなければ休眠預金となる。財形貯蓄は対象外。休眠預金となった後も、預金者は手続きをすれば引き出すことができる。

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