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無観客で行われた利根英法記念邦楽コンクール=相生市文化会館なぎさホール
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無観客で行われた利根英法記念邦楽コンクール=相生市文化会館なぎさホール
コンクール開催に尽力した利根敬通さん(左)と洋子さん=相生市文化会館なぎさホール
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コンクール開催に尽力した利根敬通さん(左)と洋子さん=相生市文化会館なぎさホール

 29歳で早世した兵庫県相生市出身の箏曲家、利根英法さんの名を冠した邦楽コンクールが29日、相生市相生6の市文化会館なぎさホールで行われた。第6回となる今年は初めて古里の相生市で実施。開催に奔走した両親は「郷土愛の強かった息子の思いをかなえられた」と感慨に浸った。

 利根さんは3歳で箏を始め、東京芸大を卒業後、プロの登竜門「賢順記念全国箏曲コンクール」で最高賞に輝いた。将来を嘱望されていたが、2011年7月、心不全で亡くなった。

 父敬通さん(68)と母洋子さん(66)は悲しみに暮れたが、息子の在りし日の姿を思い起こすうちに志が芽生えた。「英法はコンクールに出るたびに成長を重ねた。若手らのために新たな研鑽の機会をつくりたい」。2人は退職金をつぎ込み、14年に「利根英法記念邦楽コンクール」を東京で立ち上げた。

 一般の部と中学生以下の部に分け、一般の部には総額100万円の賞を設けた。一流奏者が集うコンクールとして定着した今年、東京から故郷の相生市へと会場を移した。

 「息子は相生にまつわる曲作りに携わるなど、地元への思い入れが深かった。相生で応援してくれる人を増やしたい」と敬通さん。相生市や相生商工会議所など地元団体の後援を得て、寄付は例年の2倍以上となる約170万円が集まった。両親の年金など約300万円と合わせて開催資金を工面した。

 新型コロナウイルスの感染拡大で無観客開催を余儀なくされたものの、審査員が見守る中、10組のグループが箏や十七絃で繊細な音色を奏でた。

 最優秀賞には森梓紗さんと長谷由香さん(ともに東京芸大)、小林甲矢人さん(東大)のグループが選ばれた。入賞者は賞金のほか、今後の演奏活動の支援も受けられ、森さんは「次の演奏の場につながるのはありがたい」と話した。

 コンクールは来年以降も支援を募りながら、両親の年金を取り崩して相生市での開催を計画する。敬通さんは「コンクールを息長く続けていけたら」と話した。(伊藤大介)

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