西播

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西野山3号墳から発掘された三角縁神獣鏡のレプリカ。顔が映るまで鏡を磨いた=赤穂市立有年考古館
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西野山3号墳から発掘された三角縁神獣鏡のレプリカ。顔が映るまで鏡を磨いた=赤穂市立有年考古館
試行錯誤しながらレプリカ作りに取り組む相生産業高校の生徒(相生産業高校提供)
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試行錯誤しながらレプリカ作りに取り組む相生産業高校の生徒(相生産業高校提供)
レプリカを制作して寄贈した相生産業高校の生徒=赤穂市立有年考古館
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レプリカを制作して寄贈した相生産業高校の生徒=赤穂市立有年考古館
西野山3号墳から発掘された三角縁神獣鏡の本物=赤穂市立有年考古館
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西野山3号墳から発掘された三角縁神獣鏡の本物=赤穂市立有年考古館

 相生産業高校(兵庫県相生市千尋町)が、約70年前に上郡町で出土した「三角縁神獣鏡」のレプリカを完成させた。機械科の生徒たちが鋳造、研磨を試行錯誤し、顔が映るほど精巧な銅鏡を再現。赤穂市立有年考古館(赤穂市有年楢原)に寄贈し、来館者が手に取ることができる「ハンズオン展示」として活用される。

 同校は2014年度から青銅器作りに取り組んでいる。16年度には国宝「桜ケ丘5号銅鐸」(高さ約40センチ)の複製品を制作。18年度は赤穂市上高野地区で出土した銅鐸鋳型から銅鐸(同約80センチ)を作り、赤穂市立歴史博物館に寄贈した。銅鐸は触るだけでなく、音を鳴らすこともでき、来館者に好評を博している。

 今回は、1951年に上郡町西野山3号墳(4世紀後半)で発掘された三角縁神獣鏡(有年考古館所蔵)の複製に挑戦した。中国・魏王朝が手掛けた銅鏡が大和政権に下賜され、さらに葬られた人物に与えられたとされる。京都・久津川車塚古墳の銅鏡(国重要文化財)と同じ鋳型で作られたとみられ、千種川流域で唯一出土した貴重な歴史的史料だ。

 生徒たちはまず、銅鏡の表裏の砂型を手作り。砂型に湯道を彫り、1150度に熱した合金(銅65%、スズ30%、鉛5%)を流し込む「鋳込み」を行った。

 しかし、砂から取り出すとすぐに割れた。鋳金作家の小泉武寛さんから「スズ24%以上では成功しない」と助言を受け、金属の配合を銅73%、スズ22%、鉛5%に見直した。

 冷えた金属内に気泡が混じり、サンドペーパーで磨くと穴が開くなどして失敗を重ねた。今春、卒業した田中祐雅さん(18)は「金属の配合だけでなく、鋳込みのスピードや流し方にも細心の注意を払わないと気泡が入る。難しかった」と振り返る。6回目の挑戦でようやく成功し、手作業で磨き上げた。

 完成した二つの銅鏡は、直径22・2センチ、重さ1・5キロ。赤穂市教育委員会の山中良平学芸員は「本物の鏡は手に取ることができず、さびや劣化で当時の輝きはない。レプリカを手にすれば、当時の技術力が実感できるはず」と感謝する。姫路市の鋳物メーカー「虹技」に就職する田中さんは「何度も作り直して、納得の仕上がりになった。レプリカ制作を就職先でも生かせたら」と話した。同館TEL0791・49・3488

(伊藤大介)

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