西播

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かつての松の木屋で愛された味を再現したホルモン焼きうどん=岡山市中区円山、幸家
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かつての松の木屋で愛された味を再現したホルモン焼きうどん=岡山市中区円山、幸家
2002年ごろに撮影された当時の松の木屋の外観(秋山幸子さん提供)
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2002年ごろに撮影された当時の松の木屋の外観(秋山幸子さん提供)
年明けの開業に向けて建て替え工事が進む新たな松の木屋=上郡町上郡
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年明けの開業に向けて建て替え工事が進む新たな松の木屋=上郡町上郡
松の木屋の復活を決めた秋山幸滋さん。年内に岡山市の店を閉じる=岡山市中区円山、幸家
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松の木屋の復活を決めた秋山幸滋さん。年内に岡山市の店を閉じる=岡山市中区円山、幸家

 ホルモン焼きうどんの老舗として知られた兵庫県上郡町の「松の木屋」が2020年1月、復活する。地元住民の熱烈なラブコールを受け、かつての名物店主の孫が岡山市から上郡町へ移り住み、店舗を建て替えて7年ぶりに再スタートを切る。(伊藤大介)

 千種川と支流の鞍居川が合流する角地で木造2階建ての工事が進んでいた。松の木屋の年明けオープンに向け、工事業者が板材を運び、釘を打つ音が響いた。

 建設費約2200万円。10月10日、上棟式を終えた秋山幸滋(ゆきしげ)さん(43)=岡山市=は「上郡の人の熱心な誘いがあって復活を決断できた」と建物を見上げた。

 松の木屋の歴史は大正時代にさかのぼる。幸滋さんの祖母、岡本はじめさん(故人)が1928年に川沿いの休憩処を引き継ぎ、54年からホルモン焼きうどんの提供を始めた。岡本さんの娘で、岡山に嫁いだ幸滋さんの母秋山幸子さん(74)=岡山県和気町=は「佐用町などの他の店に比べて、たれはあっさりしたみそベース。『昼食べて、夜も食べられる』と好評だった」。当時は農機具メーカーが近くにあり、仕事帰りの従業員らでにぎわったという。

 岡本さんが80代まで現役を務め、次男が後を継いだが、体調を崩し、2013年に閉店した。

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 幸滋さんは16年、生まれ育った岡山で飲食店「幸家(ゆきや)」をオープン。母の実家で幼いころからホルモン焼きうどんを味わい、一時期、松の木屋を手伝った経験も生かし、ホルモン焼きうどんを看板メニューに掲げた。

 ところが、岡山県では北部の津山市でコクのあるホルモン焼きうどんがB級グルメとして定着していたため、幸滋さんが作るあっさり味は苦戦。「注文の7割くらいがお好み焼きや一品料理だった」と振り返る。

 一方で17年夏から岡山県境に位置する上郡町の住民が訪れるようになった。きっかけはテレビの情報番組で幸家が紹介されたこと。「松の木屋の味を受け継ぐ店が岡山にある」との口コミが上郡町で広がった。

 県をまたいで続々とやって来る客の熱気に幸滋さんは驚いた。「懐かしい味や」「いつ(上郡町へ)帰って来るんや」「待ってるで」。車で訪れ「体が動くうちに戻って来てくれ」と懇願する高齢男性もいた。

 今春、上郡町民ら有志が「松の木屋再生プロジェクト」と銘打った取り組みを始めた。「求められる場所でやった方がいいかな」。ちょうど幸滋さんの気持ちが傾いたころでもあった。

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