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仏教の教えを織り込みながら恋愛ファンタジー小説を書き上げた石神周山さん=正福寺
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仏教の教えを織り込みながら恋愛ファンタジー小説を書き上げた石神周山さん=正福寺

 兵庫県宍粟市千種町千草の正福寺住職、石神周山さんがこのほど、初の著作となる恋愛ファンタジー小説「影を売った男」を出版した。執筆開始から出版まで約10年かけた346ページの大作で、仏教哲学を織り込みながら、己の欲望を満たすために闇の使者に影を売った男と、彼を愛した女の物語を描いた。読んだ人からは「面白い」と好評で、漫画化も決まった。

 石神さんは慶応大文学部を卒業後、東京での会社務めや起業を経て、1994年から実家で住職を務めている。小説家志望というわけではなかったが、「最近、面白い小説がないね」という友人との会話をきっかけに、自分で書いてみることにした。

 主人公の宇堂はぱっとしない化粧品のセールスマンだが、魔性の存在「オンブラー」に影を売った途端に仕事がうまく回り始め、起業して成功する。ただし影がないことで周囲に不気味がられ、恋人にも逃げられる。悲観して自殺しようとしたとき、現れた女性に助けられて恋に落ち、影を取り戻そうと決意する-というストーリー。

 化粧品セールスの描写などは、知人の話や本で勉強してリアルに描いた。主人公名の「宇堂」も寺院の本堂を指す「堂宇」から引用するなど、住職らしい言葉遊びもある。

 小説のテーマである「影を売る」という行為には「仏様のような心を失う」という意味を持たせた。「人の悩みは自身のとらわれの心が原因。仏性を失い、執着のある心では本当の幸せは得られないことを表現した」と言い、「面白くて、ドラマチックで、深みのあるものを書きたかった。思い描いていた作品に仕上がった」と笑顔を見せた。

 円山一のペンネームで山と渓谷社から発売。1800円(税別)。小説を原作にした同名の漫画作品を漫画家の松森茂嘉さんが描いており、10月下旬ごろに電子書籍化される予定だという。同寺TEL0790・76・2219。

(古根川淳也)

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