西播

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靴底とアッパー部分を糸で縫い合わせる菅野光広さん=たつの市揖保川町野田
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靴底とアッパー部分を糸で縫い合わせる菅野光広さん=たつの市揖保川町野田
(左上から時計回り)(1)飾り穴を開ける(2)パーツを縫い合わせていく(3)表革と裏革を別々に作り、縫い合わせる(4)足の甲の部分(アッパー部分)を木型に添わせるため、靴底にくぎで固定
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(左上から時計回り)(1)飾り穴を開ける(2)パーツを縫い合わせていく(3)表革と裏革を別々に作り、縫い合わせる(4)足の甲の部分(アッパー部分)を木型に添わせるため、靴底にくぎで固定
現場の打ち合わせを大切にする。「納得してもらえる家具を作りたい」と話す末松裕章さん=たつの市揖保川町正條
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現場の打ち合わせを大切にする。「納得してもらえる家具を作りたい」と話す末松裕章さん=たつの市揖保川町正條

 「別注品」「あつらえもの」-。一度は手に入れたい世界に一つだけのオーダーメード品。あこがれはあれど、なかなか手が出しづらいもの-と思いきや、実は意外と身近な所に職人が工房を構えている。兵庫県たつの市揖保川町で日ごと腕を振るう若い2人の仕事場を訪ねた。(松本茂祥)

■応用力で要望に応える 靴職人・菅野光広さん

 たつの市揖保川町野田の「靴工房MAMMA(マンマ)」。靴職人菅野光広さん(37)の一日は、手を休める暇もない忙しさだ。

 足型から型紙を作り、縫製、つり込み、底付け-など120~200の製造工程を1人でこなし、数足の作業を並行して進めていく。一足に掛ける時間は25~30時間。国内外から注文が入り、納品まで10カ月~1年待ちの状況という。

 履きやすさ、歩きやすさ、魅力的なデザイン-。一人一人のリクエストはさまざまだ。「要望にどれだけ応えられるかが職人の腕。試されるのは応用力、すなわち経験値」と菅野さん。

 これまでメーカーの依頼でアイデア段階のラフ画を基に靴の商品化を手伝ったり、義肢装具製作所から相談を受けてテストシューズを作ったりといろんな仕事をこなしてきた。

 「見た目は大差ない靴でも、細部で履き心地は大きく違う。履いた人でさえ気付かないような違和感の原因を突き止め、対処するのが私の仕事」。集中力、体力、根気。人並みでは太刀打ちできないハードな世界。「靴に悩む人から『菅野君なら何とかしてくれる』と言われたい」。1足8万円から。マンマTEL0791・72・4303

【すがの・みつひろ】1982年生まれ。龍野実業高校卒業後、ドイツで4年間の修業を積み、国家資格「整形外科靴技術職人」を取得。帰国後は靴メーカーに勤務し、デザインの仕事なども経験。2008年に地元で工房を開業。国内最大の皮革製品コンペティション「ジャパン・レザー・アワード」の紳士靴、婦人靴両部門でグランプリを獲得。今年3月、ドイツの「国際靴職人技術コンクール」で金賞に輝いた。

■スペースの有効活用提案 家具職人・末松裕章さん

 たつの市揖保川町正條の工房にはクーラーがない。家具職人の末松裕章さん(39)は飾り棚の製作の真っ最中。額に汗を浮かべ、ミリ単位の詳細な設計図を基に組み立てていく。

 同市出身。高校卒業後に専門学校で学び、海外放浪を挟む15年間の修業を経て2016年に独立した。「GWOODIY’S(グッディーズ)」のブランド名でデザインから製作、取り付けまで1人でこなす。

 子どもの頃から絵を描くことや工作が好きだった。この道を選んだのは「家具には大小を問わず、その存在感で部屋の印象や雰囲気をがらりと変えてしまう不思議な力がある」と感じたのが理由。店舗はもちろん、一般住宅の作り付け家具や室内家具、変わり種では猫が遊ぶキャットタワーの注文にも応じる。

 オーダー家具の魅力は好みのデザインで部屋にぴったり合うサイズにできること。「天井部分、洗面所の隙間。空いてるスペースの有効活用を提案できる」

 世間では、安く入手できる量産された家具があふれる。職人の目から見ると、まだ食べられるのに廃棄される食品ロスと同じようなことが起きていないか、と気になるという。

 収納したい物品、飾りたい品物から奥行きや幅を逆算して作る家具は、手仕事ならでは配慮が細部に行き届く。「予算の中で使い勝手の良い家具を、お客さんと一緒に作り上げたい」。

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