三田

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グラス(左上)を手に、大学卒業式以来の“再会”に乾杯=三田市
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グラス(左上)を手に、大学卒業式以来の“再会”に乾杯=三田市

 こんなに簡単に会えたのか…。目の前に映る友人らを見て、うれしい半面、拍子抜けしたような気分になった。新型コロナウイルスの感染拡大で外出自粛が呼び掛けられる中、インターネットのビデオ通話を使ったやりとりが人気だ。在宅勤務の会議ツールとして普及しつつ、「オンライン飲み会」も楽しいと聞いて体験してみた。新たな交流方法は、暮らしを変えるのだろうか。(喜田美咲)

 「オンラインなら兵庫と東京でも会えるっていう噂を聞いてんけど…」。照れ隠しに冗談っぽく大学時代の友人らにメッセージを送った。東京の大学から地元の兵庫で就職して1年ちょっと。友人はみんな関東に住んでいて、日々の慌ただしさから連絡はほとんど取っていなかった。

 「○から○日ならいける!」「いつでも!」。あっという間に日程が決まった。

 お風呂あがりに、無料通信アプリ「LINE(ライン)」を開く。みんなの顔が並ぶパソコンの画面に向かって「乾杯!」。仕事のこと、学生時代の思い出…。お酒はあまり飲んでいないのに、気付けば5時間が過ぎていた。最後はそろって歯を磨き、布団に入ってもおしゃべりをして寝た。

 ネット接続サービス大手のNTTコミュニケーションズによると、国内のネット通信量はぐんぐん伸びている。5月の第2週は2月の最終週に比べて土日の昼間で最大17%、平日昼間では最大50%も増えた。オンライン交流がこんなに便利なら、これからも続けたいと思う人は多いだろう。

 すると次の休日、突然、ラインの着信音が鳴った。見るとスマートフォンの画面に、両親のにこにこ顔。「やってみたかってん」。父と母が実家からビデオ通話で掛けてきたのだった。

 外出自粛で帰省も控えていたので、久しぶりに見る顔が懐かしい。「コロナ禍が収まって平穏になったら、旅行でも行こうね」と告げると、2人の満面の笑顔が映った。

    ◇

 ネット環境に詳しい関西学院大学の上村敏之教授(48)=財政学=に聞くと、「今後は仕事のみならず、普段の生活でもオンライン化、リモート化が進んでいく」と言う。コロナ禍が収束しても以前の働き方に完全に戻ることは考えにくいとし、「東京の会議に大阪からでも参加でき、地方に移住しやすくなるなどメリットは多い」とする。

 その反面、危惧されるのが、人間関係の希薄化だという。「無駄な接触を減らせば出会いの機会が減り、会議も最低限のやり取りになると、必要な余白まで削られてしまう。オンライン授業をしても学生のリアクションが分かりづらいし、雑談レベルの会話から生まれるアイデアもある」

 確かに取材でも、何げないやりとりこそ相手を理解する近道になるような気がする。会いたくても会えない時にオンラインでつながれるのは便利でうれしいけれど、友人らや両親の顔を見て、しみじみと思った。

 これはこれで、やっぱり会いたいなあ。次は一緒に過ごす「オフライン」で。

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