三田

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農繁期を前に、水路にたまった落ち葉などを取り除く母子大池水利組合の人たち=三田市須磨田
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農繁期を前に、水路にたまった落ち葉などを取り除く母子大池水利組合の人たち=三田市須磨田
母子大池の全景(母子大池水利組合提供)
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母子大池の全景(母子大池水利組合提供)
手掘りのトンネルで山を越える水路=三田市須磨田
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手掘りのトンネルで山を越える水路=三田市須磨田
県道を横切る水路橋=三田市下青野
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県道を横切る水路橋=三田市下青野
神戸新聞NEXT
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 田畑に農業用水を送るため池として、兵庫県三田市で最も大きい母子大池は1933(昭和8)年に完成した。池の水は川と水路に導かれ、青野ダム西側の須磨田や末などの農地約70ヘクタールを潤す。トンネルや橋もある水路は幹線だけで約6キロ。農家以外には知られていない巨大インフラに光を当てようとこの春、管理者が動き始めた。秋には子どもたちと、水路を使った小舟のレースなどを計画している。(高見雄樹)

 ■母子から広野まで

 池と水路は、本庄、広野地区の農家137人による「母子大池水利組合」が管理する。市最北部の母子にある同池は高さ21メートル、長さ97メートルの堤防を持つ農業用ダム。水は青野西谷川と青野川を下った後、上青野に設けた取水口から専用の水路に入る。

 水路にはトンネル2カ所のほか道路をまたぐ橋が3カ所、高低差を乗り越えて水を送る「サイホン」が15カ所に設けられている。東山付近からは分岐を繰り返し、支線の一部は大規模なサイホンで武庫川を越えて対岸の大畑まで送水する。幹線は加茂地区で民家の軒先をかすめながら、上井沢の広野小学校近くに至る。

 ■高い技術力

 同組合の資料によると、水路は江戸時代から既に計画され、一部が完成していた。大正時代に末地区一帯の開墾計画が浮上し、江戸期とほぼ同じルートで設計されたという。一部区間の勾配は400~500メートルで1メートル下がるという緩さ。現代の排水溝では100メートルにつき1メートル下がることが求められており、当時の高い技術力が分かる。

 26(大正15)年8月に工事を始めたが、昭和恐慌による資金難などでたびたび中断。8年がかりで完成した後も、漏水などに悩まされた。53(昭和28)年と81(同56)年に一部を改修したものの、設備の老朽化が進んでいるという。

 ■広く市民に

 こうした農業インフラの存在を広く市民に知らせ、農業や食への理解も深めてもらおうと、同組合は今年から市民参加型のイベントなどを計画している。また「夏には水路で泳いだ」「トンネルに入ってコウモリを捕って遊んだ」など、昔話や建設当時の伝承なども聞き取り、記録に残す。

 第一弾として自作の小舟を水路に流し、ゴールまでの速さを競う大会などを構想中だ。冬場に池の水を抜く作業を子どもたちと楽しむことも計画。トンネルや橋の名前を含め、水路全体の愛称募集も考えている。

 理事長の関山清さん(71)=同市=は「母子大池の水は枯れたことがなく、水路も含めて人力で整備した先人に感謝している。地域の資産を未来に引き継げるような取り組みを進めたい」と話している。

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