三田

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根元付近に咲いた「ひこばえ」の花。光合成をするために急きょ伸ばしたという=三田市天神1
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根元付近に咲いた「ひこばえ」の花。光合成をするために急きょ伸ばしたという=三田市天神1
100本の桜並木
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100本の桜並木

 兵庫県三田市内で桜が見頃を迎えた。ピンク色が鮮やかに野山を彩る「ソメイヨシノ」は、おおむね30年前に市内各地に植えられたとされる。人間で言うと30代は働き盛りだが、この種はちょっと病弱で、60歳ごろには枯れてしまう恐れがあるらしい。健康具合はどこで分かるのだろう。そこで樹木医の小西朋裕さん(51)に診てもらいながら歩く“お花診”巡りをしてみた。(門田晋一)

■根本近くの花 再生への道程

 頭上を覆う満開のサクラを見上げて多くの人が行き交っている。ここは市総合文化センター・郷の音ホール(天神1)の北側を流れる武庫川沿いの堤防。100本が並んでいる三田随一のビューポイントだ。

 ふと幹の根元に目をやると、地面すれすれから若い芽が伸び、数輪の花が揺れている。なんでこんなところに咲いているの? 小西さんが教えてくれた。

 「これは、木が緊急事態に陥った証拠なんです」

 こうした芽は「ひこばえ」「やご」などと呼ばれ、幹の下の方で何本も伸びてくる。かつては木の見栄えを考慮して切り落とされてきたが、近年になって木が日照不足などで栄養が足りなくなった時、なんとかエネルギーを生み出そうとして出した新芽だと分かってきたという。

 幹の中に潜む「潜伏芽」という芽を伸ばし、樹皮の裏に隠れた葉緑体で光合成をする。つまり、ひこばえに花が咲いているということは、なんとかピンチを脱して元気に回復した状態を意味するらしい。

 ひこばえは状態に応じて何本も芽を伸ばすが、役目が終われば、数本だけ残してあとは全て枯れてなくなってしまう。密集したままだと、効率的な光合成の妨げになるからだそうだ。

 「企業のリストラのように、不採算部門を切り捨て、自身でスリム化しているんです」と小西さん。

 満開の桜木を見上げると、花の付いていない枝があり、触るとぼろっと折れてしまった。これも木の上部分に別の枝が伸びて太陽の光を十分に得られなくなったため、樹木が不要になった枝を自身で枯れさせているのだという。

 桜も人間と同じで、試行錯誤しながら、もがいて生きている。

 そんな姿に、少し親近感を覚えた。

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