三田

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ニセアカシアの根で壊れた沿道民家の階段。庭にも根が突き出す。住民の女性は「街路樹の近くに住む以上は仕方ないかな…」とぽつり=三田市
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ニセアカシアの根で壊れた沿道民家の階段。庭にも根が突き出す。住民の女性は「街路樹の近くに住む以上は仕方ないかな…」とぽつり=三田市
切り落とされる前のアメリカフウ=2019年12月
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切り落とされる前のアメリカフウ=2019年12月
植樹から15年となり初めて枝が切り落とされたアメリカフウ=三田市川除
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植樹から15年となり初めて枝が切り落とされたアメリカフウ=三田市川除
神戸新聞NEXT
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 兵庫県三田市は2020年度、将来にわたる「街路樹」の管理計画をつくるため、予算案に750万円を計上した。市内の市道沿いに植わる高さ5メートル以上の街路樹は約1万5千本に上り、合計すると世界最長の並木道で知られる栃木県の「日光杉並木街道」(37キロ、1万2千本)を超える規模だ。その8割が1980年代に造られたニュータウンにあり、近年、病気で倒木の危険が生じたり、根が道路の舗装を壊す「根上がり」が起きたりする問題が出始めている。(門田晋一)

 ■住民協議をモデルに

 「根上がりにつまずいて人が転んだ!」「枝が張りだして信号が見えない…」

 まち開きから30年がたったウッディタウンのあかしあ台で、4年ほど前からそんな苦情が市に相次いだ。

 まちには地名の由来となったシンボルの「ニセアカシア」約300本が植わる。苦情を受け、市は半分程度を伐採する案を示したが、「街の魅力が無くなる」という住民の声を受けて断念。このため、18年2月から管理方法を話し合う場を設けると、8回の協議を経て、今年3月末には住民側の要望がまとまる見込みだ。その過程で51本はキノコが繁殖して倒木の恐れがあることも分かり撤去した。

 「これから同じような問題が別のニュータウンでも出始める」と市の担当者。20年度に策定する管理計画は、今回の協議をモデルケースとして住民の声を聞きながら、市内全域の街路樹について植え替え方法や減らし方を検討する。

 ■負担重くジレンマ

 緊縮財政の折、街路樹を管理する市の経費は毎年1億6千万円にも上っている=グラフ。市内の街路樹はケヤキが約2900本▽シラカシ1800本▽ユリノキ1200本▽ハナミズキ1千本▽サクラ800本-と続き、5メートルに満たない木も4千本、ヒラドツツジなど1メートル未満も多くある。

 枝葉が伸びすぎると道路の見通しが悪くなったり、標識が見えにくくなったりするため、市が頻繁に切り落としている。手間を省こうにもできないというジレンマもあるという。

 「車が行き交う中、高い場所で作業するのは危険がつきまとう。公園美化のように『住民にお願いします』とは簡単にいかない」

 全国では経費を理由に、手が行き届かなくなる街路樹も多いとされる。

 ■電柱と見まがう木々

 県立人と自然の博物館の赤澤宏樹主任研究員によると、最近は各地で丸太や電柱のようになった街路樹を見掛けるという。

 「落葉樹は住民から落ち葉に苦情が入りやすい。さらに背の高い木になるほど手入れに経費がかかる。そんな行政の事情で、枝葉を切り落としすぎた結果、見栄えまで悪くなった例だ」

 街路樹といえば、神宮外苑のイチョウ並木や表参道のケヤキ並木が有名だが、最近はハナミズキが全国で増加。その理由も、背が低くて枝切りしやすいことが大きな理由とする。

 ちなみに三田市でも今年1月、市役所前の幹線道路脇に並ぶアメリカフウ50本が枝を切られて急に寒々しくなった。市は「植樹から15年となり、これまでが伸びすぎていただけ。初めての剪定で本来の樹形に戻した」としている。

 一方で赤澤さんは、米国では行政が街路樹を管理することは少なく、7割は市民が植えて整備していると指摘。「市民が街路樹の価値を理解して大切にしている。日本では行政任せになっているが、市民はそれを当たり前と思わず、河川や里山と同じように身近な環境と捉えてほしい」と話す。

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