三田

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身体障害者用の駐車スペース。必要な人が使えるように啓発が求められる=三田市三輪2
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身体障害者用の駐車スペース。必要な人が使えるように啓発が求められる=三田市三輪2
県が発行する「ゆずりあい駐車場」の利用証。車のバックミラーに取り付ける
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県が発行する「ゆずりあい駐車場」の利用証。車のバックミラーに取り付ける

 障害者用の駐車スペースに健常者が車を止める事例が、後を絶たないという。支援が必要な人が使えるよう、行政も啓発してほしい-。そんな思いで兵庫県三田市内の障害者団体が市議会に請願書を出したが、20日の市議会福祉教育常任委員会で採択は見送られた。2018年に起きた障害者おり監禁事件を受け「共生のまちづくり」を掲げる三田市だが、同団体からの要望に基づく実態調査をしていなかったことも分かった。(高見雄樹)

 請願したのは市身体障害者福祉協議会。約150人の会員がいる。利用証の発給を受けた人が優先的に障害者スペースを使える「ゆずりあい駐車場条例」を作ってほしいという要望だ。

 兵庫県は12年度から「ゆずりあい駐車場」の制度を始め、障害者や高齢者、妊産婦、けがをした人で、歩行が難しい人に利用証を発行している。有効期間は一部を除いて5年間。現在は市役所で手続きができる。市内では16年以降で369枚、県内全体では約3万3千枚が発行された。

 同会によると、市内では三田駅前の立体駐車場で、障害者用スペースを健常者が使う例が頻発しているという。

 同会は18年9月、森哲男市長に今回と同様の要望書を提出。19年11月には市議会に陳情書を出した。

 だが要望を受けた市障害福祉課は実態調査をせず、同年3月に広報紙で啓発しただけだった。同時期に市はおり監禁事件を受け、障害者の代表らが出席して地域との関わりを議論する「障害者共生協議会」を開いていた。「共生」を掲げる一方で、障害者からの切実な要望は放置していたことになる。

 20日の委員会で、請願者の代表として説明に立った同会顧問の男性(76)は「要望は今回が3回目。一定の手続きを踏んできたので、ぜひ前に進めてほしい」と力を込めた。

 7人の委員は自由討議で「必要な人が使えないのは大きな問題」「利用者への一層の啓発は必要」などと問題を認識する一方、「条例という形がいいのだろうか」と慎重さを求める声も上がった。結局、「実効性を上げるため、今後も調査を続ける」として継続審査となった。

 同会会長の八十川一三さん(79)は「障害者だから使わせろ、と言っているのでは全くない。互いを思いやれる三田独自の方式ができれば」と話した。

【請願と陳情】請願は市民の要望を議会に伝える手段で、憲法で保障された国民の基本的権利の一つ。法律で手続きや処理方法が定められている。1人以上の紹介議員が必要で、委員会と本会議で採択するかどうかを決める。同様に議会に要望を伝える陳情は紹介議員が不要で、採決もない。

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