三田

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県立人と自然の博物館の三枝春生主任研究員
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県立人と自然の博物館の三枝春生主任研究員
丹波竜の発掘風景
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丹波竜の発掘風景
丹波竜の復元骨格モデル
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丹波竜の復元骨格モデル

 兵庫県丹波市の展示施設である「丹波竜化石工房ちーたんの館」には、地元の地質愛好家により2006年に同市山南町で発見された恐竜「丹波竜」の化石の復元骨格が展示されています。

 この化石は、山南町上滝の篠山川川床に露出する「篠山層群大山下層」(約1億1千万年前)の中に埋まっていました。発掘中に川の水位が上がると、化石が流されてしまう可能性があったため、07~12年にかけて、水位が下がる冬に計6回の発掘が行われ、全骨格の3割ほどが得られました。尻尾の骨(尾椎)や頭骨の一部などには他の恐竜に見られない特徴があったため新属新種の恐竜であることが判明し、14年に「タンバティタニス・アミキティアエ」という学名が与えられました。

 国内の37市町村から恐竜の化石が見つかっていますが、その大部分は種の同定が不可能な断片的なものです。同一種の骨や歯がまとまって発掘され新種として学名がつけられた国内産の恐竜は、丹波竜を含め7種しかありません。丹波竜は国内産の恐竜化石としては保存状態が良かったこともあり、復元骨格の模型作製に対する強い要望がありました。ただ、発見した化石は全骨格の3割ほどで、従来の粘土で骨格の未発見部分を作成する方法では限界がありました。そこでコンピューターで復元骨格の3次元モデルを作り、3Dプリンターで実物大に打ち出して骨格を復元することになりました。

 未発見の骨格部位のモデルを作るには、系統が近い恐竜の骨を参考にする必要があります。丹波竜は「竜脚類」(首の長い四足歩行の植物食恐竜)のうち、アジア固有の「エウヘロプス科」に属します。そこで、タイや中国のエウへロプス科の化石を参考にして丹波竜で未発見の部位の3次元モデルに、丹波竜の骨化石の3次元モデルを組み合わせ、復元骨格のモデルを作りました。このモデルを3Dプリンターで実物大に打ち出したものを組み上げ、16年4月に丹波竜の復元骨格模型が完成しました。

 丹波竜の復元骨格模型の7割ほどはエウヘロプス科の別種からの借りものです。しかし、丹波竜の発掘以降、篠山層群が分布する丹波市と丹波篠山市からは恐竜化石の産出地点が新たに5カ所発見されており、今後丹波竜の化石が再び発見される可能性は否定できません。その場合、復元骨格は改訂され、より真実に近いものになることでしょう。

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