三田

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 兵庫県三田市立上野台中学校で、生徒が通学に利用する路線バスの減便が明らかになって1カ月半が過ぎた。市内の複数の小学校でも、バスのダイヤ変更が子どもたちの学校生活に影響していたことが分かった。情報共有のミスなど市の度重なる不手際が問題視されたが、取材を進めると、地域交通を取り巻く環境の急変ぶりが浮き彫りになった。(高見雄樹)

 問題の発端は、神姫バスが10月1に実施したダイヤ変更だった。波豆川とJR三田駅を結ぶ路線(波豆川線)は1日7便(三田駅発は8便)あったが、通学時間帯の1往復が減便された。市は緊急措置として、タクシー2台と公用車による輸送を現在も続けている。

 少子化と人口減少が進み、上野台中でバス通学をする生徒はこの10年間でほぼ半減、現在は94人になった。神姫バスはこの10年間、波豆川線で朝の時間帯に2便の運行を続けてきた。減便の理由を同社は「利用者減が続き、通学時間帯にも手を付けざるを得なかった」とする。

【農村部の赤字穴埋め】

 市交通まちづくり課によると、2018年度に市が神姫バスに支払った補助金は約4600万円。対象の10路線で生じた赤字は、ほぼ穴埋めしているという。

 ただ、12年にできた市の補助金要綱では、1日10往復以下で利用者50人以下の路線に限るなど基準は厳しい。三田駅と母子を結ぶ路線では、乙原-母子間だけが補助対象だ。同社バス事業部計画課の前田啓介課長は「市北部の路線全体では、補助金があっても年間数千万円の赤字」と明かす。

 市は本年度、財政難を理由に補助金額を18年度から1割以上減らす。赤字額はさらに膨らむ見通しだ。

 民間企業の同社が、赤字部門を抱えられるのには訳がある。赤字額を上回る、三田特有の「三大黒字要因」があったからだ。(1)ニュータウンの人口増による通勤・通学需要(2)関西学院大神戸三田キャンパスの学生増(3)神戸三田プレミアム・アウトレットなどの買い物客増-の三つ。拡大する農村部路線の赤字を埋め合わせて余りあったが、数年前に黒字の伸びは止まった。

【不足する運転手】

 「バス運転士募集中」。行き先表示板にこんなメッセージを掲げ、路線バスの回送車両が街を走る。姫路が拠点の神姫バスで、三田は営業エリアの東端に当たる。大阪や神戸に近く、他の職種との競争が激しいため、運転手を集めにくい。

 採用費用も上がっている。「以前は(バスの運転に必要な)大型2種免許の保有者を採用したが、今は入社後に補助を出して取得させている」と前田課長。3年間の契約社員を経て登用するのではなく、最初から正社員で雇用する。

 利用者減と運転手不足のダブルパンチが、波豆川線を襲った。

【「地域の足」の守り方】

 「路線バスありきでなく、(上野台中と八景中の)統合に合わせてスクールバスの導入を考えるべきだ」。地域住民からはこんな声が上がる。

 市は「通学需要がなくなれば、昼間の便も含めた路線廃止につながりかねない」と慎重だ。運行委託費など負担増への懸念もある。

 市民にも意識改革が求められる。今回の問題を受けて市が高平地区で開いた説明会では「日ごろからバスに乗らないから、ダイヤ変更に気づかなかった。われわれ自身がもっと考えなければ」との意見が出た。

 一方、神姫バスも「中長期的な視点」と前置きした上で、他の事業者との連携強化を進める。例えば、乗り合いタクシーやカーシェアリングの事業者と連携し、バスに代わる低コストで小回りの利いた移動手段を模索する。

 同社次世代モビリティ推進室の中野悠文課長は「地域交通を担うのは当社の役割。バスを廃止して終わりにはできないので、形は変わってもあらゆる手段で移動の自由を確保したい」と話している。

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