三田

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不在者投票のしおり=三田市三輪2
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不在者投票のしおり=三田市三輪2

 参院選の21日開票を前に、病気や障害で投票所に行けない有権者の「不在者投票」が、兵庫県内の高齢者施設や病院で行われている。中でも認知症は全国的に患者数が増える中、施設内での投票を手助けするスタッフらはどんな点に気を使い、何を課題に感じているのか。県中部の特別養護老人ホームに勤める40代の女性に聞いた。(山脇未菜美)

 私が働く施設には70~90代の100人弱が生活されています。みなさん立ち上がりや食事、排せつに何らかの支援が必要な「要介護3」以上。ほとんどが認知症と診断されていて、今いる状況が分からなかったり、感情が調整できなかったりと症状はそれぞれです。

 不在者投票は告示後、投票するかどうかを1人ずつ確認するのが原則です。ただ、意思表示できない人は、職員が投票できないと判断するケースがあるのも事実。判断が難しい人や、当日になって辞退する人もいますが、国民の権利だし、意思は尊重したい。今回の選挙は入所者の2割ほどが希望されました。

 投票者が決まると、住民票がある市町の選管に届け、投票日を決めます。食堂を投票所にして補助員数人や管理監督者を職員から選び、立会人は地元の選管が派遣してくれますが、今回は投票者が少なく、内部で選びました。投票は1人ずつ部屋に迎えに行きます。

 小さい文字を読めない人が多いため、政党名や候補者名は拡大コピーをして見てもらいます。目が不自由な人には候補者を読み上げる音声機能もありますが、すらすら流れるのでお年寄りには聞き取りにくい。その場合は対面でゆっくり読み上げるようにしています。投票用紙はそれぞれ選挙権のある市町で指定された封筒に入れてもらいます。

 気を使うのは、投票干渉を疑われないようにすることですね。全国でよく事件になっています。だから候補者に関して聞かれても、名前を読み上げるしかできず、堂々巡りで1人の投票に20分以上かかることもあります。逆に意思疎通が曖昧でも、支持政党ははっきり覚えてる人もいます。手が動かなくて代筆を頼まれることもありますが、1票を預かる訳ですから極力避けたい。指で示されても、本当にいいのか不安です。

 今の投票は不親切な部分が多いと感じます。投票用紙は小さいし、鉛筆を握るには力がいる。限られた枠内に字が収まらず、懸命に書いた用紙が無効になるのでは、と心配になります。

 認知症になっても有権者です。今まで通り、権利は大事にしてあげたい。

【不在者投票と認知症】入院患者や福祉施設の入所者など投票所に行けない人が病院や施設で投票できる制度。県選挙管理委員会事務局によると、県内の指定施設は1138カ所。2017年の衆院選では小選挙区で2万518人、比例区で2万525人が利用した。高齢化の進展で、認知症と診断される人は増加している。神戸新聞社の取材で、認知症の医療拠点「認知症疾患医療センター」に指定された県内の病院では、18年度に認知症と診断された人が約3800人に上り、前年度より1割、2年前に比べて4割増えている。

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