三田

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10歳の女の子「サンダリーノ」が主人公の飛び出す絵本(新宮晋さん提供)
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10歳の女の子「サンダリーノ」が主人公の飛び出す絵本(新宮晋さん提供)
雷が立体的に浮かび上がる(新宮晋さん提供)
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雷が立体的に浮かび上がる(新宮晋さん提供)
これまでの創作や思い出を語る新宮晋さん=さんだ市民センター
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これまでの創作や思い出を語る新宮晋さん=さんだ市民センター
新宮さんの遠縁で親交があった小磯良平さん
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新宮さんの遠縁で親交があった小磯良平さん

 兵庫県三田市在住の世界的な造形作家・新宮晋さん(81)が三田の民話をモチーフにした飛び出す絵本を今秋に発表する計画であることが分かった。雷よけのまじない「くわばらくわばら」のルーツとされる欣勝寺(桑原)の民話をヒントに、落雷と一緒に降り立った女の子「サンダリーノ」が自然の中を冒険していくという物語。既にフランス語、イタリア語やスペイン語での発売も決まり、新宮さんは「自分は(高齢で)タイムリミットが近づいているが、三田の豊かさを世界に発信するお手伝いができればうれしい」と語った。(門田晋一)

 さんだ市民センター(三田市三田町)で7日に開かれた講演会「さんだの自然から生まれたもの」で約180人に明かした。

 雷の子が古井戸に落ちたと伝わる欣勝寺の民話に着想を得て、サンダリーノは宇宙から降り立った10歳の女の子と設定。物語では、地球の自然の素晴らしさに気付いていく。

 新宮さんは、自身の作品を野外展示する県立有馬富士公園の「風のミュージアム」で、子どもたちが自然の大切さや命の尊さを学ぶ「地球アトリエ」構想を進める。絵本制作に触れて、将来は同ミュージアムに劇場も設けてサンダリーノに関するミュージカルを企画したいとも話した。

 現在も制作中といい、「三田は自然との対話ができる。絵本やミュージカルを通して見る人に夢を持ってもらい、海外での三田の知名度を上げていきたい」と決意を語った。

 講演会では自身の半生も振り返り、これまで公の場ではほとんど語ることのなかった洋画家小磯良平さんとのエピソードを披露した。小磯さんは新宮さんの祖母のいとこに当たる。

 子ども時代、新宮さんの絵心を育もうと考えた母親が小磯さんに指導を頼むと「お母さん、晋君程度の絵でかっかしないほうがいい」と告げられたという。それでも高校に入って小磯さんから本格的に絵を学び、東京芸術大への進学を志望すると驚かれたという。

 当時、小磯さんは同大の教授に就任したばかり。「親類をえこひいきすると思われるのが嫌だったんでしょう」

 大学時代は小磯さんの別荘から一緒に通うなどした。卒業して6年間のイタリア留学後には、作品の着想をもらったことも。小磯さんと正月、テレビを見ていたときに言われたという。「これ、ヒントになるんじゃない?」。室内で軽量飛行機を飛ばすという番組だった。室内に飾り、わずかな気流で動く作品を作ってみようと思い付いた。

 「アーティストだけど構造計算をしながらもの造りをする今の私のスタイルは小磯さんのおかげでもある」と新宮さん。「よく面倒をみてくれた」と当時を懐かしんで感謝した。(門田晋一)

■ズーム

 くわばらくわばら

 広辞苑によると、雷鳴のとき、落雷を避ける呪文として用いる。忌まわしいことを避けようとするときにも唱える。ルーツとされる三田の民話は次の通り。

 「雨を降らせようと、空の上で張り切りすぎた雷の子が足を滑らせて寺の井戸に落っこちた。和尚がふたをして閉じ込めると、雷の子は『助けてー。二度と桑原村には落ちませんから』。和尚が逃がしてあげたので、雷の親は感謝し、今日まで約束を守っている」

 一方で、死んで雷になったと伝わる菅原道真の領地だった京都市中京区桑原町には古来落雷した例がないという伝承にちなむとの説もある。

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