三田

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1989年5月31日付三田版
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1989年5月31日付三田版
【左】東日本大震災で被災した宮城県石巻市へメッセージカードを記す市民ら=2012年3月、駅前町【上】阪神・淡路大震災後に三田市内に建設された仮設住宅。多くの被災者が暮らした=富士が丘5(市提供)【右】金泉が湧き、湯気を立てる有馬温泉の御所泉源=神戸市北区有馬町
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【左】東日本大震災で被災した宮城県石巻市へメッセージカードを記す市民ら=2012年3月、駅前町【上】阪神・淡路大震災後に三田市内に建設された仮設住宅。多くの被災者が暮らした=富士が丘5(市提供)【右】金泉が湧き、湯気を立てる有馬温泉の御所泉源=神戸市北区有馬町
神戸新聞NEXT
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■記者が紙面解説<平成元年5月31日の紙面>

 1面トップは「公定歩合0・75%上げ実施」。景気の過熱を抑えるため、ついに日銀が金融引き締め策に転じた。ただ、その後もバブルの勢いは止まらない。

 県版では県と米ワシントン州の姉妹提携25年を祝う対談会の詳報。故貝原知事らとやり取りした駐大阪・神戸米国領事が「日本では夜に学校で子どものイベントを開くと、父親が働いていて来ない」と指摘。貝原知事は「米国で父親を尊敬する子どもは80%なのに、日本は30%を切る」と危機感を示した。働き方改革の進む今はどうか?

 社会面は、リクルート汚職事件で川崎市の助役を「収賄で書類送検へ」。三田版では市の広報に意見、提言する「広報モニター」の平成初会合を伝えた。

   ◇   ◇

 海は足元に来ている-。1989年5月31日付の三田版。ほっこりとした記事を見て、ふと思った。

 「楽しみだな 温泉リハビリ/医療用にと泉源発掘」。病気で入院中のお年寄りに温泉浴で体をいたわってもらおうと、医療法人が三田市内でボーリングに着手したという話題。その3年後、地下1200メートルから本当に有馬温泉と同じ成分の温泉が湧き出した。

 「断層があると推定されます」と京都大の西村進名誉教授(86)。地盤研究の第一人者で、温泉の謎は近年、急速に解明が進む。

 西村さんによると、太平洋の海底ではフィリピン海プレートがじわじわと近畿の真下に潜り込んでいる。海水が吸い込まれ、深い所で超高温となり、地盤の隙間(断層)を上って温泉になる。白浜、有馬、宝塚温泉もそう。三田の下に湧く湯も海の産物という訳だ。

 交通の便が格段に良くなった平成は温泉ブームに沸いた。同じく温泉を掘り当てたスーパー銭湯もたくさんできた。ただ元年当時、その断層が地震の発生源になっているとは、多くの人は実感できなかった。

 プレートに押されて断層は歪み、ひとたび滑ると大地を揺らす。何度教えられても、6千人超の命が失われた阪神・淡路大震災の悲しみは受け止めきれない。

 地震研究に情熱を注いできた西村さんもやるせなさを抱える。「地震と温泉の研究は車の両輪。大地のメカニズムが分かれば、人を救えるんです」。自然の恵みは、脅威と共にある。(安藤文暁)

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