三田

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炭素循環農業に取り組む伊藤祐介さん(右)、瑞穂さん=三田市下深田
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炭素循環農業に取り組む伊藤祐介さん(右)、瑞穂さん=三田市下深田
昨年夏に収穫したトマトやナス、キュウリ、カボチャなど(伊藤さん提供)
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昨年夏に収穫したトマトやナス、キュウリ、カボチャなど(伊藤さん提供)

 昨年9月に新規就農した伊藤祐介さん(37)と、妻の瑞穂さん(38)=兵庫県三田市=が、炭素を使った土作りをする「炭素循環農法」に取り組んでいる。体に優しい野菜を目指し、農薬や肥料に頼らない栽培。今は収量は少なく試行錯誤しているが、「えぐみや青臭さがない。皮まで栄養たっぷり」と手応えを感じている。(山脇未菜美)

 中学3年からフラワータウンで育った祐介さん。子どもの頃は食べ物に執着はなく、野菜に好き嫌いがあったという。転機は2012年、ぜんそく持ちの瑞穂さんと結婚し、食に気遣い始めたことだ。三田市内の直売所で買った野菜を食べると、苦手なトマトは酸味がなく甘く、ピーマンは苦みを感じなかった。

 果物のようにおいしい…。感動するとともに、当時は若者が脱サラして農業を始めるブームもあり、農業に関心を持つようになった。16年、照明デザイナーとして働いた会社を退職して三田市内で多品目を育てる「おおにし農園」で研修。2年後に独立して「シンフォニアファーム」を立ち上げた。

 無農薬・無施肥にこだわったのは、人が食べる物に薬を使うのが怖かったから。その中で出会ったのが炭素循環農法だった。牛ふん、鶏ふんといった動物性堆肥を使わず、土に麦や木材などの炭素資材を混ぜて、微生物を活性化させる。肥料を使うことで発生する「硝酸態窒素」が少なくなるため、野菜本来のうま味が楽しめるという。

 実践する同県市川町の農家を訪れると畑に雑草がほとんどなく、虫が寄りつかない。「自然の摂理に従ってやりたいと思った」と祐介さん。「今は毎日が実験みたい」と笑うが、冬に収穫したキクイモはしゃきしゃきとした食感が際立ち、ニンジンは皮まで食べられるほど甘かった。

 深田地区など3カ所の計約45アールで栽培。訪日外国人客(インバウンド)も視野に、消費者に直接食材を売るアプリ「ポケットマルシェ」などを使ってインターネット販売に力を入れる。屋号の「シンフォニア」は交響曲を意味し、2人が学生時代に楽器を演奏していたことに由来する。「音楽がいろんな響きが交わって成り立つように、農業やお客さんも多様。いろんな人とつながっていきたい」 

 問い合わせはホームページ「シンフォニアファーム」から。

【硝酸態窒素】農作物の成長を促進させる窒素肥料を施しすぎると、酸化して土壌に残る成分。野菜が根から吸収する量が多くなると、色が濃くなったり、えぐみが強くなったりする。硝酸性窒素とも言われ、シュンギクやホウレンソウ、コマツナなどの葉物に含まれやすい。摂取量の多さが健康に与える影響についてはさまざまな意見や論議があるが、欧州連合(EU)は摂取量が多いと健康に害を及ぼす恐れがあるとして、野菜類の含有量に安全基準を設けている。

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