東西を阪急、JR、阪神の3鉄道が走り、市道山手幹線、国道2号、国道43号の3本の主要道路が横断する東灘区。大阪にも三宮にも至便なこの地には、神戸を代表する閑静な住宅街が広がる。先人たちは、六甲山系と大阪湾をつなぐ「石屋川」「住吉川」「天上川」「高橋川」の四つの川沿いに豊かな郷を築き、「阪神間モダニズム」と呼ばれる独自の文化を育んできた。そして、御影石、酒蔵、スイーツなど、全国に誇る産業を生み出した。六甲山の南(甲南)に位置し、山と川(河)の恵みの中で発展したこのまちの魅力に迫る。
大規模店舗の進出で全国的に個人商店が衰退する中、神戸市灘区・水道筋が元気だ。街の縦横に八つの商店街と四つの市場。行き交う人は多く、食や音楽のイベントも日夜繰り広げられる。最近はインバウンド(訪日外国人観光客)の姿も目立つ。まちの活気の秘訣は何か―。
「長田ってどんなまち?」。そう聞かれて想起するもの。ぼっかけ、そばめし、鉄人28号、三国志、アジア、ケミカル、町工場、長田神社…。ある人が言った。「人情あふれる下町や」。確かに、住んでいる人も、やってくる人も、このまちを下町と感じている。国、人、モノが絶妙なバランスで交じり合い、訪れる人々を寛容なまでに受け入れるまち。
同区を塩屋▽名谷・多聞・北部▽舞子▽垂水駅周辺ベイサイド―の四つのエリアに分け、このまちにあふれる三つの魅力―「観力」「美力」「味力」に迫る。
神戸版特区シリーズ第5弾は「須磨マンスリー 今昔八景」と題し、須磨浦▽月見山▽多井畑▽板宿▽妙法寺▽名谷▽車▽白川-8地区をクローズアップ。豊かな自然と歴史が織りなす、まちの今昔に迫ります。
平清盛や源義経、豊臣秀吉など、数多くの歴史上の偉人たちがたどったとされる道が今も残る神戸市北区。神戸版特区シリーズ第6弾は「北マンスリー 街道を行く」と題し、〝大動脈〟である有馬街道を北へ、北へと歩きながら、交通の結節点として発展を遂げたまちの歴史や、豊かな自然の中で生きる人々の暮らしぶりを追う。
都市近郊農業が盛んで、先端分野の工業団地や、旧明石郡7町とニュータウン(西神中央、西神南、学園都市)が広がる神戸市西区。100万人を超える政令指定都市の中で最も農業産出額が多い「農都」であり、5エリアの工業団地を抱える「工都」であり、市内最多の約24万人が暮らす「住都」であり、6つの大学がある「学都」でもある。 神戸版特区シリーズ第7弾「西マンスリー 農工住学」では、「農」「工」「住」「学」が調和し、発展してきた、まちの魅力や歴史、生きる人々の暮らしに迫る。