三木

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インドネシアで現地の専門家による地質の講義を受ける関西国際大の学生ら=2019年8月、ジョグジャカルタ(提供)
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インドネシアで現地の専門家による地質の講義を受ける関西国際大の学生ら=2019年8月、ジョグジャカルタ(提供)
関西国際大経営学科の村田昌彦教授(同大学提供)
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関西国際大経営学科の村田昌彦教授(同大学提供)

■関西国際大経営学科 村田昌彦教授

 わが国ではこれまで、数々の地震や台風を経験してきたが、令和の時代も、地震・津波に加え、台風の巨大化などによる豪雨災害の頻発が懸念される。

 本学では、全学生を対象とした海外研究実習で、東南アジアの被災地における復興や、「未災地」の防災・減災対策などを現地で学ぶプログラムを展開している。日本は「防災先進国」と言われているが、海外に足を運ぶと、日本とは異なった防災・減災対策、復興施策が行われているのを目にする。

 2019年の台風19号災害では、通称「地下神殿」と呼ばれる、埼玉県の中川・綾瀬川流域の水を江戸川に流す全長約6・3キロメートルの地下トンネル(首都圏外郭放水路)により、首都圏の浸水被害が大きく軽減された。国土交通省の資料では、トンネルによる浸水被害軽減効果は264億円。部分通水した02年以降では、累計1484億円相当だったとされる。

 このような大規模防災インフラは東南アジアではなかなか建設できないと推測されるが、学生を連れて行ったマレーシアの首都クアラルンプールでは、類似の大規模地下トンネルを通る機会を得た。

 これは、クラン川流域1288平方キロメートルの降水量の一部を、本川から下流部の支川に放水する全長9・7キロメートルのバイパストンネル「スマートトンネル」で、07年に完成した。意外なことに、このトンネルは、降水時に浸水を防ぐ放水路であるとともに、平時は首都圏の交通渋滞を緩和するための有料高速道路として利用される多目的トンネルなのだ。平時は道路として運用しながら、クラン川の水量に応じて、段階的に交通を制限し、危険水量に達すると道路全体を放水路として使用する大規模地下構造物だ。

 そのほか、インドネシアの地震被災地ジョグジャカルタでは、短期間で建設でき、各世帯のニーズに合った「コアハウス」や、宇宙基地を思い起こさせるユニークな「ドームハウス」なども見られる。日本では試験的なもの以外には導入されていない住宅復興の手法である。

 本学では、防災士養成講座をはじめとする防災教育を進めている。学内での講義や研究、国内でのボランティア活動に加え、海外でのこのようなフィールドリサーチなど学生の安全・安心についての学びを深めている。

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 関西国際大学(三木市志染町青山1)の教員が、それぞれの研究分野をテーマにつづります。

【むらた・まさひこ】1956年西宮市生まれ、同市在住。東京大工学部卒。県防災計画課長、アジア防災センター主任研究員、人と防災未来センター研究部長などを歴任し2016年から関西国際大教授。経営学科で防災・減災などが専門。

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