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兵庫県立但馬やまびこの郷・佐藤眞子所長
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兵庫県立但馬やまびこの郷・佐藤眞子所長

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で休校が続いた多くの小中学・高校が、間もなく再開を予定する。春休みを挟んで約3カ月におよんだ休校後、懸念されるのが児童生徒の不登校だ。大型連休後の5月や、夏休み明けの9月に増える傾向がある。子どもの心の変化を知るために、学校や保護者はどんな点に注意すればよいのか。専門家の助言を2回にわたり紹介する。(津谷治英)

■子どもの不安に寄り添って

 近年、不登校は格差拡大を背景に、家庭環境に起因するケースが報告されている。小中学校の不登校対象の体験型施設「兵庫県立但馬やまびこの郷」の佐藤眞子所長は、コロナ禍が児童生徒にもたらす危機をどう考えているのだろうか。

 「休校中の子どもたちの生活は家庭環境で差が出ます。両親が共働きで昼間に不在だと、家で兄弟げんかばかりしているかもしれない。ゲーム好きの子は昼夜逆転になっていることが想像できます。経済活動の自粛で解雇され、収入面で苦しさを抱えている親もいるでしょう。大人の焦りや不安に子どもは敏感です」

 「登校を控え、先生たちには児童生徒の家庭環境の把握に努めてほしい。訪問できない状況で限界はありますが、家に電話をかけている先生もいる。直接話すことは貴重です。子どもは親しい人との会話で安心感を持ちます。子どもには『勉強しているか』『朝早く起きているか』と命令調ではなく、柔らかい言葉で話し掛けてください。『今日は何食べた』と尋ねるだけで、食事をしっかりとれているかが分かる。想像力を働かせると、状況が判断しやすくなります。その準備があれば、授業再開後の接し方も変わってきます」

 「宿題の進み具合も心配です。2学期に不登校になる子どもには、夏休みの課題ができずに焦って悩んでしまうケースも。特に小学校の低学年は自習に慣れていませんから。親にもなかなか余裕はないと思いますが、学校からどんな課題が出ているかを聞くだけでもいい。うまくいってなかったら、『できる範囲でいいよ』と話してあげてほしい。コロナ禍で、子どもは不安と恐怖に包まれている。大人は守ってあげる気持ちを伝えることが大切です」

 「精神医学や心理学の専門用語に、心的外傷後成長(PTG)があります。衝撃的体験で傷を受けた後の成長を意味します。不幸だけれども、歴史的な危機です。『この経験は誇りに思ってもいいよ』と子どもたちを励ましてほしい。ゆっくりと新しい生活に溶け込ませてあげてください」

     ◇     ◇

■佐藤さんからのメッセージ

子どもたちへ 課題は焦らずマイペースで

保護者へ 子どもに「守っているよ」と伝えて

先生方へ 家庭環境に合わせて柔軟に対応を

     ◇     ◇

【さとう・まさこ】1949年、大阪市生まれ。お茶の水女子大学大学院修士課程修了。神戸大発達科学部教授などを経て2014年、兵庫県立但馬やまびこの郷所長。

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