神戸

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小西ミユキさんが焼く駄菓子屋のたこ焼き。昼時には大人も列を作る=神戸市兵庫区菊水町10
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小西ミユキさんが焼く駄菓子屋のたこ焼き。昼時には大人も列を作る=神戸市兵庫区菊水町10
伊藤由紀さん(右)が企画した昨年9月の駄菓子屋ツアー=神戸市長田区久保町5、コミュニティハウス
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伊藤由紀さん(右)が企画した昨年9月の駄菓子屋ツアー=神戸市長田区久保町5、コミュニティハウス

 駄菓子屋は「昭和遺産」かと思いきや、令和の今も子どもを引きつける。放課後の大事な居場所を次代に残そうと、神戸市兵庫区では新たに店を始める人も。レトロでチープでポップでかわいい駄菓子の世界は、若者や親の世代からも再び注目を集めつつある。その魅力を教えてくれる店へ、10円玉を握りしめて、いざ。(喜田美咲)

【ばる~んの駄菓子屋】

 神戸駅前からバスで「菊水町10丁目」の停留所へ。降りた先から、たこ焼きのソースのにおいが鼻をくすぐる。店のガラス窓には、「駄菓子」とだけ。「うちは屋号はないよ」。たこ焼きをくるくると返しながら、店主の小西ミユキさん(63)さんがほほ笑む。

 オープンは、驚いたことに昨年の3月。小西さんは配達専門の弁当店「ばる~ん」を営んでいるが、忙しいのはお昼まで。午後の時間を活用しようと考えているところに、2児の母である娘が「駄菓子屋があったらなぁ」とつぶやくのを聞いた。

 貸していた店舗スペースが空いたのを機に、一念発起。約20平方メートルの店内には駄菓子を並べるほか、10個160円という“駄菓子感覚”の値段でたこ焼きの販売も始めた。

 狙いはたちまち当たり、昼間はバス客が、放課後は小中学生の常連が集まり、客足が途絶えることがない。

 「子どもには、買いすぎないよう注意することもある」と小西さん。社会体験ができるのは、地域密着の駄菓子屋ならでは。歴史は浅くとも、その役割に変わりはない。

 「駄菓子だけでやっていくのは難しいけど、将来も残していきたいね」

【淡路屋】

 食堂からクレープ店を経て、駄菓子屋に。謎の変転を遂げてきた和田岬地区の「淡路屋」(笠松通7)は後発組ながら、客を待つのに飽き足らず、企画を立てて町へ飛び出す、駄菓子屋界の期待の星だ。

 約60年前、周辺の造船所や工場で働く人たち相手の大衆食堂として開業した。店内は、左右の壁際にベンチシートとテーブル台が作り付けられ、お客さん同士が自然と向き合うような独特な作り。この場所を無くしたくないと、会社勤めをしていた伊藤由紀さん(50)が94年、3代目として店を引き継いだ。

 女性をターゲットにしたクレープ店、を開いたはずだったが、「気づいたら子どもたちが集まる店に。だんだん駄菓子も置くようになった」という。

 以来、店では絵本の読み聞かせやボードゲームの会を催し、駄菓子屋マップの作成などを企画してきた。その地域にとってかけがえのないありようは、テレビや会員制交流サイト(SNS)でも紹介され、話題を呼んでいる。

 今温めているのは「駄菓子屋ラリー」。市内の駄菓子屋を巡り景品を集める、町歩きイベントだ。「珍しいこと、みんなが喜ぶことがやりたい。可能性は無限大」と目を輝かせた。

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