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そろばん教室で割り算九九を教える山下一秀さん=神戸市中央区北長狭通2
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そろばん教室で割り算九九を教える山下一秀さん=神戸市中央区北長狭通2

 二一天作の五、七二下加六…。神戸・トアロードの路地に立つ古い建物に入ると、何やら魔法の呪文めいた声が聞こえてきた。耳を澄ますと、パチパチと玉をはじく音も。そろばん教室「東亜珠算会」(神戸市中央区北長狭通2)の看板が掛かり、声の主は子どものようだ。何をしているの?(段 貴則)

 呪文のような言葉の正体は、割り算九九の割り声。旧式珠算で割り算を行う際に唱える呼び声だという。60年間、同教室を営む山下一秀さん(80)が「昔は誰でも知っていた。覚えるのが手間で、昭和30年代になると、あまり使われなくなった」と教えてくれた。

 割り声は割り算の答えと余りを表しているという。神戸珠算振興会の資料によると、8の段の「八六七十四」は「60÷8=7余り4」を意味する。割る数、割られる数、答え(商)、余りの順で、商と余りの間の「十」は無視。そろばんは「6を7にし右桁に4を置く」と解説してある。また「天作の五」は「先頭の数を5にする」、「下加六」なら「先頭の数の右桁に6の数を加える」と、それぞれ説明してある。

 山下さんは「計算しなくても、割り声通りに玉を動かすだけで答えが出る。覚えてしまえば、現在の割り算よりも早い」と話す。

 一度は廃れた割り算九九を教え始めたきっかけは、高齢女性からの依頼だった。数年前、神戸新聞文化センターで教えていたところ「割り算九九を思い出して、もう一度そろばんを使いたい」と頼まれた。

 現在、山下さんは子どもにも教えている。割り声を半分ほど覚えた小学5年の女児は「6から8の段を覚えるのが難しいけど、全部覚えたら割り算が早くできそう」。山下さんは「もう一度、復活させたい」と、指導に力を入れている。

 同会TEL078・331・1292

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