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イチゴの苗を手入れする滑浦武志有野いちご部会長=神戸市北区有野町二郎
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イチゴの苗を手入れする滑浦武志有野いちご部会長=神戸市北区有野町二郎
イチゴ狩りに訪れた観光客=神戸市北区有野町二郎
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イチゴ狩りに訪れた観光客=神戸市北区有野町二郎

 みずみずしい甘さで兵庫県内外にファンを持つ「二郎いちご」。すっかり一大ブランドに育ち、1~5月のイチゴ狩りシーズンには、神戸市北区有野町二郎に観光客が押し寄せる。ただ、現在の人気を確立するまでには多くの農家の苦悩があったという。地元に点在するビニールハウスで、おいしいイチゴ作りに知恵を絞る農家を取材した。(西竹唯太朗)

 神戸市観光園芸協会などによると、二郎いちごは1920年代の大正期に、兵庫県西宮市の旧鳴尾村で栽培されていた苗を持ち帰り、試作したことが始まりとされる。「昔は米作りがメインで、副業みたいなもんだった」と、祖父の代から生産を続ける有野いちご部会の滑浦武志会長(74)は振り返る。

 当時、イチゴ狩りをする農園はなく、収穫すると全て市場に出していたという。ただ、出荷には、運送やこん包の経費がかかるため、56年に西日本で初めてイチゴ狩りを導入。併せて畑の近くに直売所も開設した。イチゴの生産で生活していけるように、もうかる仕組みを考えたという。

 しかし「今と違ってPRする方法も少なく、客はあまり来なかった」と滑浦さん。最盛期の50年代後半に50人以上いた生産者も、徐々に減っていったという。

 風向きが変わったのは10年ほど前。インターネットや会員制交流サイト(SNS)の普及で二郎いちごの名が知れ渡り、観光客が急増した。現在は毎年1万人以上が訪れ、イチゴ狩りの予約は2カ月先まで埋まることも珍しくないという。

 ブームに合わせ、減少傾向だった生産農家の数を増やそうと、2014年から新規就農者に二郎いちごを生産してもらっている。滑浦会長は「昔ほど農家を増やす必要はないけど、これ以上減らしてはならないという思いで受け入れた」と話す。

 現在、生産者は23人で、ここ10年ほどは数を維持できているという。

 イチゴ農園「いちご松」の生産者、坂本佳希さん(40)は、16年に新規就農。3年の修業期間を経て、今年からようやく「二郎」の名を冠したイチゴ作りを許され、同農園を開いた。

 「先人たちが作り上げてきたブランド。そう簡単にのれん分けはできない」と滑浦会長。坂本さんは「二郎のブランドを守るためにも、もっとおいしくてリピーターをつくれるイチゴを目指したい」と力を込めた。

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