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吉田みなみ記者
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 「お好み焼き店 密集日本一」。ネットにはこんな書き込みも躍る神戸市の新長田駅周辺。そばめし発祥の地として知られ、地元発行の「鉄板こなもんMAP」(2017年10月現在)には45店舗が紹介される。大阪、広島にも負けず劣らず、独自のこなもん文化を育み、継承してきた長田。その神髄を知るには、食べて、食べて、食べまくるしかない。私を調査代表とする取材班は、10月下旬から約1カ月間、同駅周辺の計44店舗(うち12店舗は廃業など)を回り、焼き方、ソース、鉄板…などを徹底検証した。(吉田みなみ)

 ■長田は「のせ型」主流

 生地と具をあらかじめ混ぜてから焼く「混ぜ型」は大阪。鉄板に薄く生地を伸ばし、具材を後から上にのせていく「のせ型」は広島。それでは長田の主流は?

 調査ができた32店舗中、のせ型(一部のメニューに混ぜ型含む)が29店舗と9割超を占め、混ぜ型は2店舗、残り1店舗は焼きそばの提供のみだった。

 大阪に近いのに、なぜ広島と同じ焼き方なのか。

 1933年創業のお好み焼き店「みずはら」(同区久保町4)の3代目水原弘二さん(62)は「大正末期から昭和初期に流行した鉄板焼の軽食『にくてん』がルーツ」と話す。同店の看板メニュー「ねぎすじ焼き」は、にくてんが源流で、焼き方も創業当時の「のせ型」を守り続ける。

 ■「にくてん」って?

 戦後の食糧難のころ、子どもたちのおやつとして重宝されたのが「洋食焼き」(一銭洋食)。小麦粉を水で溶いて薄く焼き、天かすやこんにゃくなどを乗せた簡素な作りだった。これが食事へと変化を遂げ、好みの具材が多く入るようになった結果、「お好み焼き」になったという。

 一銭洋食は全国共通の名称だが、神戸では方言で「にくてん」と呼ばれた。名称の由来は諸説あり、肉を小麦粉をつけて焼いているのが天ぷらに似ているからとも、肉を一番上に乗せるので「肉の天井」という意味だとも言われている。

 大阪の混ぜ型も一銭洋食が元祖で、当時の焼き方はのせ型だったが、商売色が強まり、店が具材を用意して客に調理を任せられる手法として混ぜ型が普及したとみられる。一方、長田では個人経営の小さな店が多く、「混ぜ型に変化する必要はなかった」という。

 ■「ぼっかけ」はメニューにない

 長田と言えばぼっかけ。そう思ってお好み焼き店を訪れた観光客は、メニューに「ぼっかけ」がないことに戸惑う。

 取材班の調査でも、「ぼっかけ」という単語が入るメニューが存在するのは調査ができた32店舗中、4店舗のみ。「牛すじ」「すじこん」として提供しているお店が24店舗(75%)で、残りの4店舗はぼっかけも牛すじなどもメニューになかった。

 ちなみに「そばめし」は25店舗で存在し、発祥地の定番としての地位を築いていた。次回は味の決め手となる「ソース」のほか、「鉄板の厚さ」「テコかコテか」などについての調査結果を報告する。

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