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神戸ビーフに新評価指標 口溶け、風味に関わる「MUFA」

2020.03.31
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専用装置を枝肉の断面に当て、モノ不飽和脂肪酸の含有率を測定する担当者=神戸市長田区苅藻通7、市中央卸売市場西部市場

専用装置を枝肉の断面に当て、モノ不飽和脂肪酸の含有率を測定する担当者=神戸市長田区苅藻通7、市中央卸売市場西部市場

 兵庫県と神戸肉流通推進協議会(流推協、神戸市西区)は4月から、兵庫県産の高級牛肉「神戸ビーフ」と「但馬牛(ぎゅう)」の市場で、新しい評価指標として「モノ不飽和脂肪酸(MUFA)」を導入する。脂に含まれ、口溶けを左右する。霜降りの具合と並び、両ブランド肉のおいしさを支えているとされ、他の産地に先駆けて含有率の指標化に踏み切る。(山路 進)

 両ブランド肉の出荷量の8割以上を扱う神戸、加古川、姫路の3市場で測定し、取引の活性化を図る。同協議会は「小売り、飲食業者にも関心を持ってもらい、ブランドのさらなる強化につなげたい」としている。

 MUFAは、肉の脂肪にある脂肪酸の中で溶ける温度が低い。国内外で研究が進み、牛肉の口溶けや舌触り、風味に関わることが分かってきた。

 県畜産技術センターは約30年前から、両ブランド肉となる但馬牛(うし)で研究。全ての脂肪酸に占めるMUFAの割合は、50%台が中心の他産地よりも概して高いという。適量もあり、食味試験でMUFAが60%前後の場合に風味やうま味などの評価が高かった。

 2008年以降、神戸と加古川の市場に専用装置を設けてデータを収集。血統との関係も調べ、18年から但馬牛(うし)の改良に使われている。

 3市場では、せりの直前、枝肉断面の脂肪の部分に近赤外線を当ててMUFAの割合を測定。買い付け業者が見るモニターに表示する。従来の表示項目は、霜降りの具合や1頭から取れる肉の多さ「歩留まり」で決まる肉の格付け、性別、月齢、血統、枝肉重量などで、これらに加える。

 国内では07年、5年に1度開かれる最大の品評会「全国和牛能力共進会」でMUFAの測定が初めて導入された。その後、長野や鳥取などでは、MUFAの一種のオレイン酸に着目し、ブランド和牛の認定基準に採用している。