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「神戸ビーフ」価格急落 新型コロナで訪日客激減

2020.03.22
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低迷する消費を増やそうと、神戸ビーフを半額で提供する「神戸牛吉祥グループ」の池田心さん=神戸市中央区元町通2

低迷する消費を増やそうと、神戸ビーフを半額で提供する「神戸牛吉祥グループ」の池田心さん=神戸市中央区元町通2

神戸新聞NEXT

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 新型コロナウイルスの感染拡大で、兵庫県産のブランド牛肉「神戸ビーフ」「但馬牛(たじまぎゅう)」が打撃を受けている。消費を支える訪日外国人客(インバウンド)の減少などで、消費量の約8割を占める飲食店を中心に需要が低迷。枝肉の取引価格が下がり、肥育農家の経営にも影を落としている。(山路 進)

 神戸ビーフと但馬牛は、県内の肥育農家が養父市と淡路市の市場で購入した子牛を約2年間育てた後、枝肉市場に出荷される。

 全国農業協同組合連合会兵庫県本部(全農兵庫)によると、県内市場での神戸ビーフの枝肉価格は2018年4月にピークの1キロ5千円を超えた後、4千円近辺で推移。だが昨夏以降、日韓関係の悪化や消費税増税が響き、19年10月には3500円を割り込んだ。

 追い打ちを掛けたのが新型コロナ。飲食店やホテルなどで在庫が膨れて枝肉価格をさらに下げ、相場は2月が1キロ3432円(前年同月比16%安)、3月は同3197円(同22%安)と下落幅が拡大している。

 価格下落は、肥育農家にも影響。痛手なのは、2年前に購入した子牛が高値だったことだ。17年は1頭80万円だったが、東京五輪による需要増を織り込んで、18年2月以降は平均100万円を超えていた。「高値で買っても、五輪需要で回収できると思ったが」と兵庫県佐用町で約300頭を飼育する盛本和喜さん(55)。子牛1頭の出荷までに餌代などで約50万円はかかり、「出荷するほど赤字の状態」と不安を募らせる。

 飲食店も苦境にあえぐ。神戸・南京町で神戸ビーフレストラン「吉祥吉 本店」を展開する神戸牛吉祥グループ(神戸市中央区)では1月下旬以降、中国などからの団体予約のキャンセルが相次ぎ、売り上げが前年の約5割に。少しでも消費を増やそうと、3月末まで市内の系列28店で、赤身ステーキ80グラム(通常2750円)やサーロインステーキ120グラム(同1万4080円)など神戸ビーフを含む全飲食メニューを半額にしている。

 系列店の運営会社社長の池田心さん(35)は「普段食べない人にもおいしさを伝え、消費拡大につながれば」と期待する。

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