北播

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空と池に映る月との共演。地名の由来になっているとの説も=加西市両月町
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空と池に映る月との共演。地名の由来になっているとの説も=加西市両月町
漢字とローマ字で表示された地区名看板=加西市両月町
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 兵庫県加西市両月町(わちちょう)にある善防池。未明、月が沈みかけるころ、西側の山際に赤みがかった月が浮かんでいた。水面にも山のシルエットとともに月が映る。

 加西市史では、両月町の地名の由来としていくつかの説が紹介されている。

 その一つが「善防山に登った人が、池に映る月を見て『天の月と地の月、両月の地なり』と称した」というもの。その説話に引かれて写真を撮りに行った。

 波があると、水面の月は広がるが、風の収まった時間は形がくっきりと映る。ただ、善防池は善防山の北側にあり、山頂から池の月は見られない。ほかの山から見たのかもしれない。

 両月町の人たちは月に親しんでいるのだろうか-。

 中村尚史区長(72)に尋ねると、「地区にお月見などの行事はない」とのことだった。ただ、子どもの頃から家では金だらいに水を張って月を映し、ハギの花や団子を飾って月見を楽しんだという。中村さんは「妻に教えて一緒に月見をしたら感心していた」とも。

 ほかの由来も興味深い。月は「グワツ」「グワチ」との読みがある。かつて月村と西月村があったが、2村が合併して両月村になった後、読みは「わち」のままとなったという。この地を支配していた足利氏の家紋「輪違い」にちなんだという説もある。

 かつて、兵庫県警に勤務していた中村区長は、地名にまつわる同僚のエピソードも教えてくれた。

 加西市で勤務していた際、両月町で不審な男を見つけ職務質問した。住所を聞くと、男は近くにあったバス停を見て「地元だ。『りょうげつちょう』」。それをきっかけに、窃盗容疑での逮捕につなげたという。

 住民にとって身近な地名。いつの時代でも、さまざまな物語を生むきっかけとなっている。

(小日向務)

=おわり=

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