北播

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弁慶が住職と打ったとされる碁盤=播州清水寺
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弁慶が住職と打ったとされる碁盤=播州清水寺
弁慶が悔しさのあまり碁盤にねじ込んだと言われる黒い碁石=播州清水寺
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弁慶が悔しさのあまり碁盤にねじ込んだと言われる黒い碁石=播州清水寺

 兵庫県加東市平木の播州清水寺が、武蔵坊弁慶ゆかりの品とされる碁盤の展示を始めた。弁慶が若い頃、同寺で当時の住職と碁を打った際に、負けた弁慶が悔しさのあまり黒い碁石を盤にねじ込んだ-とされる伝説の碁盤だ。今も石の半分が突き刺さるような形で見え、弁慶の性格や怪力が悠久の時を経て伝わる。同寺の清水谷善英住職(80)は「千年以上続く寺の歩みを象徴する宝物の一つ。歴史ロマンを感じてほしい」と話す。(中西大二)

 文献などの資料は残っていないが、清水谷住職が子どもの頃、当時の住職だった祖父から碁盤の「弁慶伝説」を伝え聞いた。

 碁盤は大講堂内の内陣宝物庫と呼ばれる場所に長く置かれていた。2年前の春、加東市内の貴重な仏像や工芸品を展示する特別展を多摩美術大学(東京)と共催することが決まり、同大関係者と、学芸員で同市教育委員会の藤原光平主査(32)が寺を訪問。市指定文化財で秘仏の「木造毘沙門天立像」など約10点を見て回った。

 その際、宝物庫で弁慶の碁盤も目にとまり、ストーリーの面白さもあって展示を決めた。藤原主査は「寺の近くを通る国道372号は昔、京街道とも呼ばれ、源氏と平氏の戦いの舞台だった。そのそばに弁慶の伝承があるのは意義深く、加東の歴史を象徴している」と指摘する。

 昨秋、同大美術館で開かれた特別展には大勢の人が詰め掛け、中でも碁盤は人気を呼び、立ち止まる人が多かったという。同寺でも昨年の紅葉の時期に特別展示をしたところ好評だったため、常設展示を決めた。

 清水谷住職は「寺へ登る五つの山道のうち社方面から登るルートには、弁慶の力石と呼ばれ、麓から運んだとされる巨岩もある」と説明。「古い山寺は伝説に彩られている。言い伝えを楽しんで」といざなう。

 碁盤を見るには、入山拝観料(大人500円)とは別に、大講堂の内陣拝観料100円が必要。午前8時~午後5時。