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特攻隊「白鷺隊」の遺書・遺詠をまとめた冊子=加西市立図書館
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特攻隊「白鷺隊」の遺書・遺詠をまとめた冊子=加西市立図書館

 太平洋戦争末期、兵庫県加西市鶉野町の鶉野飛行場から飛び立った特攻隊員たちの遺書や遺詠をまとめた冊子が完成した。亡くなった63人のうち18人分を収録。ほとんどが20代の若者で、「隊員に任ぜられ男子の本懐」などと勇ましい言葉が並ぶ。その一方で、両親を気遣い、心残りを記した文章もあり、当時の心境がうかがえる。

 同飛行場で訓練した神風特攻隊の記憶を後世に残そうと、市民団体「鶉野平和祈念の碑苑保存会」が提案し、市が発行した。隊員らの残した遺書や詩歌、顔写真などを掲載している。

 同飛行場には、搭乗員を養成する姫路海軍航空隊があったが、戦局の悪化に伴って、爆弾を抱えて米軍の艦船に体当たりする特攻隊「白鷺隊」を編成。1945年4~5月、鹿児島県鹿屋市の串良基地から沖縄近海へと出撃し、21機63人が命を落とした。

 「一切の私心を捨てて、悠久の大義に生きます」。東京都出身の海軍二等飛行兵曹(21歳)はそう記す。しかし、父母から返事が届くと心が揺らぐため、自分から手紙を出せないことを告白し、「突込む時は必ずお父さん、お母さんと叫んで突込みます」としたためた。

 広島県出身の海軍少尉候補生(23歳)は父母に心配をかけていることや、先立つことをわび「兄上、姉上、私の代わり孝行をお願ひします」とつづっている。

 「母上様は病身がちならば、くれぐれも御健康に御留意の程を」と、母親の体を気遣う遺書もある。

 これまで資料を集め、編集に携わった同保存会理事の上谷昭夫さん(80)=兵庫県高砂市=は「若者が残した最後の言葉を知ってほしい。私たちは、彼らのことを忘れてはならない」と訴える。発行した市鶉野未来課は「戦争中にこうした悲劇があったことを知り、平和の尊さを感じてもらえれば」としている。

 A5判43ページ。100部発行し、加西市立図書館や市内の中学・高校、公民館に配布した。同図書館では、29日まで鶉野飛行場関連の特設コーナーに置いている。貸し出しは、期間終了後も行う。(森 信弘)

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