姫路

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3月11日、福島県の海岸で海に流す木の葉の舟にメッセージを書いた生徒たち=姫路市四郷町坂元
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3月11日、福島県の海岸で海に流す木の葉の舟にメッセージを書いた生徒たち=姫路市四郷町坂元

 東日本大震災から丸9年となる11日、福島県相馬市の沿岸で行われる追悼行事で、犠牲者の追悼や被災地復興への願いを書いた約8千枚の木の葉が海に流される。このうち5千枚を届けたのは、姫路や高砂など兵庫県内5市の学校や福祉施設。メッセージを考える作業を通じ、それぞれがあの日の教訓も学んだ。(小林良多)

 福島と兵庫を結んで行われる追悼行事は「木の葉の舟流し」と呼ばれ、震災2年後の2013年に始まった。アイデアの端緒となったのは、朝来市出身の児童文学作家・森はなさんの代表作「じろはったん」。主人公のじろはったんが、戦死した親友の名前を紙に書き、タイサンボクの葉に縫い付けて流す場面が基になっている。

 企画するのは「じろはったんの会」の永野泉代表(65)=福島県伊達市。11年3月、津波にのまれた宮城県石巻市内の自宅で、以前から大切にしていた「じろはったん」の本がきれいな状態で見つかった。「被災した今こそ、物語に描かれた『互いをいたわる心』が大切」と同作を広める活動を始め、それが追悼行事につながった。

 17年からは高砂市の「森はな顕彰会」(福本陽子会長)が協力。大量に必要になるタイサンボクの葉は、姫路市内の造園業者らに依頼して確保し、ボランティアの手で1枚ずつきれいに拭ってから配布する。

 メッセージを寄せる団体は毎年増え、今年は姫路、高砂、加古川、朝来、加西のこども園や小中学校、福祉施設などが参加。姫路市の小中一貫の四郷学院では先月下旬、前期・後期課程の約450人が震災の被害を映像などで学んだ上で、1枚の葉と向き合った。

 「命を大切にしていきます」「1日でも早く町が元に戻りますように」「顔を上げて生活できるよう願っています」。それぞれのメッセージに、素直な心がにじむ。後期課程9年生の女子(15)は「遠い被災地と直接関わることができた気がした。復興を進める人たちを思い浮かべながら書いた」という。

 福本会長は「震災から9年がたつ中、防災教育の一環としても意義があるはず」と手応えを話す。永野代表は「震災を経験した兵庫からのメッセージは、特別な親近感を持って受け止められている。ため込んだ悲しみやうつむく気持ちを素直にはき出す場にもなっており、これからも続けていきたい」と決意を新たにしていた。

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