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退職後、詩集をまとめた尾花さん=市川町
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退職後、詩集をまとめた尾花さん=市川町

 30代でがんを患って復帰し、今年3月末に市川町役場を退職した尾花哲也さん(59)=兵庫県市川町=が、詩集「しあわせの隠し味」を発行した。フォークソングブームに乗って中学生で詩を書き始め、闘病を機に創作意欲が再燃。時に生きる喜びをつづり、時には故郷のB級グルメを売り込む、自由な作風の16作を収めた。約100部を役場の後輩らに配った尾花さんは「自分の得意な分野で人や町を発信しようと思う人が増えてほしい」と話す。(井上太郎)

 尾花さんは同町出身で1982年に町役場に入庁。建設課主査だった38歳の時に、盲腸の手術のはずが大腸がんが見つかり、肝臓への転移も含めて1年に4回の手術を重ねた。

 2回目の手術後の自宅療養中に、同県多可町へつながる県道の「船坂トンネル」が完成。自らが企画していた開通式でのオリジナルソングコンテストに、同僚らとバンドを組んで出演した。

 長い闇の向こうに見える小さな光がしだいに近づいてくる しだいに大きくなる このトンネルを抜けたら“未来”が待っている

 麻酔から覚めると、真っ暗な視界が徐々に明るくなる。トンネルを抜ける時の光景に似ていた。「明日生きられるかさえ不安だったのが、1年頑張れば娘が高校生になるのを見届けられるなとか、少しずつ生きる希望が見つかっていく」。そんな心境も重ねた。

 職場に復帰後は表現力を磨こうと、身ぶり手ぶりをつけて朗読する大会「詩のボクシング」に挑戦。総務課長だった51歳の時、貸しおしぼりの目線で喫茶店の客の容姿や行動に突っ込みを入れる「俺は貸しおしぼり」などで会場を沸かせ、県大会で優勝。「人を感動させよう、泣かせたろうなんて思うと白けさせる。自分の言葉で伝える大切さがよく分かった」という。

 幼少期から親しむご当地グルメが題材の「がんこ親父のかしわめし」や、棚田などの自然を描写した「帰郷」など、市川町のPRも忘れない。がんこ親父-など4作品は役場の元同僚が作曲し、歌をCDに収録した。

 同じ大腸がんの治療から復帰して活躍するプロ野球阪神タイガースの原口文仁選手に勇気をもらっているという尾花さんは「私もこうして元気に勤め上げて詩集を出せて、少しは誰かの励みになれるといいな」。

 A4判18ページ。20部ほど残っている。

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