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「ザ・トングマン」こと原田明さん=尼崎市南塚口町2
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「ザ・トングマン」こと原田明さん=尼崎市南塚口町2

■NPO法人あまがさき環境オープンカレッジ副理事長・原田明さん(伊丹市)

 決して怪しい者ではない。もちろん普段着でもない。手にはトング。ティッシュペーパーの箱で作成したヘルメットをかぶり、人々をごみ拾いに誘う。人呼んで「ザ・トングマン」。年に数度だけ現れる宣伝キャラクターのため、姿を見た者はまだ少ない、かも知れない。

 兵庫県尼崎市のNPO法人「あまがさき環境オープンカレッジ」の創設から関わり、現在は副理事長を務める。「まずできることを」と、2015年から阪急塚口駅周辺のごみ拾いを始めた。当初から活動に「トングマン」と名称をつけ、賛同者とともに週1日ごみと向き合う。拾ったタバコの吸い殻は昨年11月、10万本を超えた。「『10万本』じゃなくて『10万人』ですよね。ごみの後ろには人がいる」。

 活動を始めた当初、「俺はごみを捨てた人のことを絶対忘れへんからな」と、怒りが常にあった。それがうそか誠か、ある時「拾った空き缶が『ありがとう』と言ったんよ。よう見つけてくれたと。いや、幻聴やねんけどね」。例えばウオーキングを楽しむように、ごみ拾いもやればいいんじゃないか。今はそう思う。そうして、トングマンの衣装が生まれた。

 出身の伊丹市に住む。関西学院大商学部卒業後、大手広告代理店・電通に入社した。新聞やテレビ局などを相手に仕事をし、人事畑も経験した。消費社会への違和感、父の死去、自身の老後の設計…。55歳で早期退職した。「『住民代理店』になる」と、NPO法人だけでなく、尼崎市総合計画審議会の委員、伊丹市の西鈴原自治会長など、多岐にわたる活動でまちづくりに参画している。

 トングマンの活動はしかし、その中でも格別だ。昨年8月、阪神尼崎駅周辺でトングを侍の刀に見立てて同じような活動をしてきた盟友の男性を病気で亡くした。「ライバルで居続けて」。男性のその言葉が今も胸に残る。やめるわけにはいかない。68歳。(大盛周平)

【メモ】周囲には「Bob(ボブ)」の愛称で親しまれている。海外の友人に「ボブっぽいね」と言われたのがきっかけだ。トングマンの活動は毎週木曜日の午前中、阪急塚口駅周辺で。あまがさき環境オープンカレッジTEL06・6421・0544

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